イセキ ヒロシ   Iseki Hiroshi
  伊関 洋
   所属   医学研究科 医学研究科 (医学部医学科をご参照ください)
   職種   特任顧問
言語種別 日本語
発表タイトル 術中MRIとナビゲーションを用いた即時型フィードバックによる手術教育システム
会議名 第67回日本脳神経外科学会総会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 口頭
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎村垣善浩, 伊関洋, 丸山隆志, 中村亮一, 高倉公朋, 堀智勝
発表年月日 2008/10/01
開催地
(都市, 国名)
岩手県
学会抄録 日本脳神経外科学会総会CD-ROM抄録集 1G-O18-02 2008
概要 2008-10-1:一般口演 手術教育

結果責任を問われ刑事罰もありうる現在の厳しい医療環境において、治療結果が直後に判明す
る外科治療は萎縮の一途にある。その中で以前のように症例のtry and errorから手術成績を
向上させるステップを踏むことは事実上困難となった。解決策としてcadaverを用いた様々な
トレーニングコースが行われ正常解剖の把握と基本手技習得に成果を挙げている。しかし一方
で病変処置のトレーニングは手術により習得するしかなく、リスクが少なく効果的な教育方法
が求められている。
  我々は2000年より術中MRIを620例(神経膠腫70%)、アップデートナビゲーションを500例
以上に施行した。主に脳腫瘍の摘出率向上を目指して開発したが、リアルタイムに近い画像と
位置情報を提示することで、操作結果を即座にフィードバックさせる教育システムでもある。
具体的には、適切な開頭部位であったか、病理診断のためのsamplingの場所が異常画像部位で
あったか、残存腫瘍の有無と場所に関する術者予想は正確か、脳深部の操作部位の術者予想は
正確か、手術操作による合併症の有無確認などである。
  結果615例(99%)で計画通りの手術を施行し、脳腫瘍症例では組織診断が得られ、摘出可
能部位の摘出もれは認めなかった。硬膜外血腫、脳挫傷等操作による合併症を術中に処置でき
たため、術後出血は2例(0.3%)と10-3オーダーへリスク低減できた。急性脳腫脹の原因が腫瘍
内出血であることが判明し適切な処置が可能となった1例も経験した。
  通常手術では、フィードバックは術後画像となるため確認しようがないことが多く修正困
難であるが、術中MRIとナビゲーションは術中に数回かつ疑問や結果を即座に確認できるシス
テムであり、術中修正を可能にする。本システムは、手術成績を上げ合併症を防ぐとともに、
即時型フィードバックを行わせる効果的で実践的な手術教育方法である。