アラシキ ノブト
Arashiki Nobuto
新敷 信人 所属 医学部 医学科 職種 助教 |
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言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | 脂質過酸化がもたらすBand 3タンパク質からのアンキリンの遊離‐老化赤血球におけるBand 3クラスター化のメカニズム‐ |
会議名 | 第34回日本生化学会大会 |
学会区分 | 全国規模の学会 |
発表形式 | ポスター掲示 |
講演区分 | 一般 |
発表者・共同発表者 | ◎新敷信人, 萬野純恵, 高桑雄一 |
発表年月日 | 2011/09/23 |
開催地 (都市, 国名) |
京都府 |
学会抄録 | 生化学 83(8),160 2011 |
概要 | 【背景と目的】過酸化を受けた赤血球膜ではBand 3にMetHbが正の協調性を持って強く結合してクラスター化させることを昨年度の本会で報告し、核の無い赤血球が死ぬためのプロセスの一端を明らかにした。このBand 3のクラスター化が起るためにはBand 3を膜骨格に繋留しているアンキリンがBand 3から遊離し、Band 3を膜骨格から解き放すことが必須である。本年度は脂質過酸化を受けた赤血球膜におけるBand 3-アンキリン間の結合解離を解析した。
【方法と結果】赤血球膜から調製した反転膜小胞 (IOV)を 脂質過酸化剤(t-butyl hydroperoxide)で処理し、IOV上にBand 3と結合したまま残存するアンキリンの量をイムノブロットにより測定した。残存アンキリンは脂質過酸化により、20%程度減少した。さらに、過酸化IOVにMetHbを加えたところ、MetHbの結合量に応じて残存アンキリンの量は50%まで減少した。また、IOVからアンキリンを取り除いたKI-IOVを脂質過酸化剤処理し、赤血球膜から精製したアンキリンを加えて結合量を測定したところ、最大結合量が約50%減少した。 【考察】脂質過酸化によりBand 3の細胞質ドメインのアンキリン結合部位に何らかの構造変化が起ると思われる。過酸化自体、さらに過酸化により親和性が変化して強く結合したMetHb(部位は未同定)によりアンキリンとの結合が顕著に低下し、Band 3が膜骨格から解き放されると考えられた。この自由拡散するBand 3(二量体)のMetHb結合部位間にも過酸化による構造変化が起こり、MetHb結合には顕著な正の協調性が生じ結果的にBand 3のクラスター化が起ると予想される。 |