イトウ トシマサ   Itou Toshimasa
  伊東 俊雅
   所属   その他 その他
   職種   薬剤部長
言語種別 日本語
発表タイトル 神経障害性疼痛に対するα2δリガンド・プレガバリンを用いた薬物治療のレトロスペクティブ調査
会議名 第5回日本緩和医療薬学会年会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 ポスター掲示
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎高橋麻利子, 伊東俊雅, 山縣克之, 高橋賢成, 木村利美
発表年月日 2011/09/25
開催地
(都市, 国名)
幕張
概要 【目的】
我々は以前に神経障害性疼痛(NP)に対するガバペンチンの維持投与量(CD)について調査し、原疾患によってCDに差異があることを確認している。本邦においてプレガバリンがNPの適応を取得したが、帯状疱疹後神経痛(HPN)や糖尿病性神経障害性疼痛(DP)以外の慢性疼痛についての報告は少なく、臨床における用量設定に難渋する症例も多い。
そこで、東京女子医科大学病院(当院)において、NPに対してプレガバリンを使用した患者を対象とし、その有用性および安全性をレトロスペクティブに調査するとともに、すでに調査報告したガバペンチンと比較検討したので報告する。
【方法】
2010年7月1日から2011年3月31日の期間に、当院にてプレガバリンを処方された患者659名(男性301名、女性358名、平均年齢63±15歳)を対象とし、疾患名、CD、副作用症状および併用薬等について、診療録および薬剤管理指導記録より調査した。本調査は、倫理的配慮に基づき充分配慮を行って解析した。
【結果】
疾患は、がん性神経障害性疼痛(MP) 50名、抗がん剤による末梢神経障害(DNP) 21名、HPN 197名、DP 25名等であった。CDは、MP 156.9±61.1mg、DNP 190.0±84.4mg、HPN 130.6±82.5mg、DP 202.4±114.0mgであった。
全患者のうち34.9%に副作用(眠気15.8%ふらつき9.1%、眩暈1.8%、嘔気1.1%、浮腫3.3%、幻覚0.5%等)がみられ、7.9%の患者が副作用で中止した。
【考察】
プレガバリンは、添付文書用量に比較して低用量で維持された患者が多くみられ、ガバペンチンのCDとの違いがみられた。またプレガバリンのCDはDNPとDPに比較しMPとHPNで少ない傾向がみられたことから病態によってCDに差がある傾向があった。そのため画一的な増量は副作用の発現からも適切ではないと考えられ、用量設定は中枢症状などの副作用に注意する必要がある。