タキタ モリチカ
Takita Morichika
瀧田 守親 所属 医学部 医学科 職種 助教 |
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言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | 癌の転移と腫瘍血管形成におけるプロスタグランジンEの関与 |
会議名 | 第29回 日本骨代謝学会学術集会 |
主催者 | 日本骨代謝学会 |
学会区分 | 全国規模の学会 |
発表形式 | 口頭 |
講演区分 | 一般 |
発表者・共同発表者 | ◎瀧田 守親, 横山 智史, 稲田 全規, 宮浦 千里 |
発表年月日 | 2011/07/30 |
開催地 (都市, 国名) |
大阪, 日本 |
概要 | 【目的】プロスタグランジンE(PGE)は、膜型PGE合成酵素-1(mPGES-1)を介して産生され、癌の骨転移に関わる。これまでに、mPGES-1欠損マウス(mPGES-/-)ではマウスB16メラノーマによる骨転移と骨破壊が抑制され、それらがEP4受容体を介することを報告した。本研究ではmPGES-/-を用い、腫瘍血管新生と癌転移におけるPGEの役割について調べた。【方法】(1)癌の転移モデルはB16をマウス尾静脈に移入して作製した。(2)血管新生はレーザーイメージングにより検出し、同一個体を軟X線撮影により解析した。(3)マウス間質細胞と固定B16との共培養を行い、PGE、血管内皮細胞増殖因子-A(VEGF-A)と塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)の産生をRT-PCR法とEIA法を用いて調べた。【結果】(1)野生型マウス(WT)では、肺、肝臓、腎臓、骨に著しいB16の転移が認められ、血管イメージングでは著しい蛍光シグナルを認めた。一方、mPGES-/-では、これら臓器への転移が顕著に抑制され、蛍光シグナルも減弱した。(2)固定B16とWT由来の間質細胞を共培養するとPGE産生が亢進したが、mPGES-/-由来細胞ではPGE産生が著しく低下した。(3) WT由来の間質細胞はVEGF-AとbFGFを産生するが、PGEによって産生が亢進し、EP4アンタゴニストによって抑制された。一方、mPGES-/-由来の間質細胞ではVEGF-AとbFGFの産生がいずれも微弱であった。【考察】B16と宿主間質細胞との相互作用により、宿主間質からのPGE産生が亢進し、そのPGEはVEGF-AやbFGF産生を促した。mPGES-/-において、B16の肺、肝臓、腎臓、骨への転移と腫瘍血管形成が抑制された。これら結果より、宿主由来PGEがVEGFとFGFを介して血管新生を伴う癌の転移を制御する可能性が示された。 |