アラシキ ノブト
Arashiki Nobuto
新敷 信人 所属 医学部 医学科 職種 助教 |
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言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | 老化赤血球におけるバンド3タンパク質のクラスター化のメカニズム |
会議名 | 第82回日本生化学会大会 |
学会区分 | 全国規模の学会 |
発表形式 | ポスター掲示 |
講演区分 | 一般 |
発表者・共同発表者 | ◎新敷信人, 萬野純恵, 高桑雄一 |
発表年月日 | 2009/10/23 |
開催地 (都市, 国名) |
神戸 |
学会抄録 | 第82回日本生化学会大会プログラム |
概要 | 【背景と目的】赤血球は酸化ストレスに曝されながら体内を循環し、120日経つと脾臓のマクロファージに捕らえられる。この寿命を規定する機構のひとつとして、膜を貫通するバンド3タンパク質 (Band 3) のクラスター化と、それを認識する血清中の自然抗体との反応によるオプソニン化が考えられている。しかし、Band 3がクラスター化する機序については不明である。本研究では、1) 老化に伴い、酸化ストレスによりHbが酸化されてMetHbが生じやすくなる、2) 老化赤血球膜では、HbのかわりにMetHbがBand 3に結合してクラスター化を誘導する、との仮説を立て検証した。【方法と結果】赤血球の比重は循環時間とともに増大することを利用して、密度勾配遠心法により、ヒト静脈血から得た赤血球を比重の小さなほうから順にF1~F6に分画した。赤血球中のMetHbは、F1~F4ではほとんど存在しないが、F5およびF6では約3.5%存在した。Band 3の自然抗体を用いたFACS解析により、F6 (全赤血球の約0.1%) の約20%でBand 3のクラスター化が検出された。次に、MetHbによるクラスター化の誘導を意図して、各分画毎にHbまたはMetHb (K3Fe(CN)6により作製) を再封入した膜ゴーストを作製した。FACS解析の結果、F6では両者で、F5ではMetHbでのみBand 3はクラスター化したが、他の分画ではいずれも認められなかった。分画した赤血球にあらかじめ過酸化剤 (tert-butyl hydroperoxide) を作用させると、F1~F4においてもMetHbによりクラスター化が誘導された。現在、Blue Native-PAGEによるクラスター化したBand 3の検出とMetHbのBand 3細胞質ドメインへの結合測定を行っている。【考察】老化赤血球でのみ見られるBand 3のクラスター化は、赤血球内の還元能の低下に起因し、生成されたMetHbが過酸化を受けた膜に存在するBand 3に結合することでそれらを集合させると考えられた。 |