ヤスカワ クミ
  安川 久美
   所属   医学部 医学科(附属八千代医療センター)
   職種   准教授
言語種別 日本語
種別 部分執筆
表題 【新生児・小児皮膚疾患診療マニュアル】全身疾患を伴う皮膚病変 川崎病
書名 Derma.
版・巻・頁 146-152頁
出版社(株)全日本病院出版会
出版地
(都市, 国名)
日本
著者・共著者 今田 義夫, 安川 久美
発行年月 2004/11
概要 川崎病は主として4歳以下の乳幼児に好発する急性熱性発疹性疾患である.1967年の川崎の原著が発表されて以来35年が経過した.しかし,その病因は内外の多くの研究者の努力にも拘わらず,残念ながら未だ不明である.病理学的には全身の中小の系統的血管炎で,血管炎は冠状動脈に顕著に現れ,その結果,一部の症例に冠状動脈瘤が形成され,稀ではあるが,その血栓性閉塞により心筋梗塞発症の原因となる.1970年に第1回の全国調査がなされて以来,2年に1回,合計16回の調査が行われ,30年間に約17万人の発症が把握されている.また,1994年以降,毎年6千人以上の患者が発症し,最近の少子化傾向を考えると減少どころか近年増加していると考えられ,わが国をはじめ先進諸国ではリウマチ熱に代わり,後天性心疾患の主役となっている.その疫学像からは,過去3回の全国的な流行が観察されるなど,本症の発症に何らかの感染因子が関与していることが示唆されている.川崎病の臨床像は極めて多彩であるが,本稿では厚生労働省の川崎病研究班による"診断の手引き"(改訂5版)(表1)に従い,本稿の主題である皮膚症状を中心に述べる(著者抄録)