ウガワ トヨム   Ugawa Toyomu
  鵜川 豊世武
   所属   医学部 医学科(東京女子医科大学病院)
   職種   教授
言語種別 日本語
種別 部分執筆
表題 在宅透析(HHD・CAPD)および長時間透析における臨床工学技士の役割と展望 腹膜透析領域におけるCEの業務とスキルアップ~腹膜透析認定指導臨床工学技士設立と遠隔モニタリング~
書名 日本透析医学会雑誌
ISBNコード 0914-7136
版・巻・頁 57,386頁
出版社(一社)日本透析医学会
出版地
(都市, 国名)
東京, 日本
著者・共著者 安部 貴之, 鵜川 豊世武, 土谷 健, 花房 規男, 星野 純一
発行年月 2024/05
概要 【はじめに】腹膜透析(PD)領域における臨床工学技士(CE)の立場は,国の在宅医療に向けた方針と新たな医療機器の登場など,大きく変化している.これらに対応するために日本臨床工学技士会では腹膜透析業務検討ワーキンググループを設立し,日本腹膜透析医学会には腹膜透析認定指導臨床工学技士(PDCE)の制度が設立された.
【CEのPD業務】PDに関するCEの業務は,医療機器の管理体制の整備の他に,医療機器の使用に関する研修を患者や介助者,他医療スタッフに行うこと,遠隔モニタリング業務,外来業務,療法選択,患者宅訪問などが実施されている.また,PDおよび血液透析(以下HD)の併用療法を実施している場合,その浄化量や治療条件設定にも関わっていると推察される.
【遠隔モニタリング】2018年にバクスター社製ホームPDシステム「かぐや」,2023年にJMS社製APD装置「PD-Relaxa」の登場により,在宅治療の遠隔モニタリングや遠隔治療設定,遠隔情報共有が可能となった.2022年度の診療報酬改定では,遠隔モニタリング加算が算定できるようになり,遠隔モニタリングの更なる普及が予想される.日本臨床工学技士会の業務実態調査ではCEが行っている遠隔モニタリングの割合は2021年から2022年にかけて上昇していたため,今後もCEが担うことが予想される.
【腹膜透析認定指導臨床工学技士】PDCEは,腹膜透析に関連する医学と医療の進歩に即応した優秀な臨床工学技士の養成のため,日本腹膜透析医学会に2023年3月より設立された認定制度である.各施設でPD業務にばらつきがある中,認定資格を取得することによって,一定の水準を証明できるものと考えられる.
【おわりに】このように,CEが遠隔モニタリング業務を担い,PDCEが増加することで,PD業務におけるCEの存在が確固たるものになると考える.本講演では,PDWGの活動とともにこれらPD領域のCEがどのような状況か紹介し,今後の展望について議論したい.