アメミヤ ノブユキ
Amemiya Nobuyuki
雨宮 伸幸 所属 医学部 医学科(東京女子医科大学病院) 職種 助教 |
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言語種別 | 日本語 |
種別 | 部分執筆 |
表題 | 【AKI・CKDの診断・治療に臨床検査を活かせ】(4章)腎疾患を知る──臨床検査ができること CKD 透析アミロイドーシスの現況 |
書名 | 臨床検査 |
ISBNコード | 0485-1420 |
版・巻・頁 | 68,498-501頁 |
出版社 | (株)医学書院 |
出版地 (都市, 国名) | 東京, 日本 |
著者・共著者 | 雨宮 伸幸, 星野 純一 |
発行年月 | 2024/04 |
概要 | <文献概要>はじめに 透析アミロイドーシス(dialysis-related amyloidosis:DRA)は,1975年に血液透析患者に手根管症候群(carpal tunnel syndrome:CTS)が多いと報告されたことから解明が始まった.DRAはβ2ミクログロブリン(β2-microglobulin:β2m)を前駆タンパク質としたアミロイド細線維が組織に沈着することによって発症すると考えられており,透析歴が長いほどCTSの発症率が高くなることも報告されている.アミロイド細線維の形成は,重合核形成過程と線維伸長過程の2段階で構成される.β2mは酸性条件下でβシート構造が部分的にほぐれアミロイド伸長反応が起こりやすくなると考えられている.また,DRAの発症進展には炎症細胞浸潤,機械的刺激,糖化β2mによるマクロファージ由来の骨吸収性サイトカイン[インターロイキン(interleukin:IL)-1β,腫瘍壊死因子α(tumor necrosis factor-α:TNF-α),IL-6など]の産生亢進などが報告されており炎症の関与が示唆されている.今世紀に入り,透析技術,医工学技術,透析管理法の発展などでDRA発症率は低下していると思われるが,依然として発症阻止には至っておらず長期透析患者の多いわが国においては重要な透析合併症となっている.本稿ではDRAの現況,臨床症状,検査値の特徴,治療などについて概説する. |