シミズ ユウコ   Shimizu Yuuko
  清水 優子
   所属   医学部 医学科(東京女子医科大学病院)
   職種   教授
言語種別 日本語
種別 部分執筆
表題 Tumefactive multiple sclerosis
書名 Annual Review 2009
ISBNコード 978-4-7792-1841-5
版・巻・頁 211-217頁
出版社中外医学社
出版地
(都市, 国名)
東京
著者・共著者 清水優子
発行年月 2009/01
概要 多発性硬化症multiple sclerosis(MS)の中で,急性の脱髄現象が巨大な病変を形成し,画像上著明な増影効果や浮腫を伴うことから,脳腫瘍と鑑別困難な症例群が存在する.このような腫瘍様脱髄性病変を伴うMSをtumefactive multiple scle-rosis(tumefactive MS)とよぶが,そのほかtumor-like MS,tumefactive demyelinating disease,large focal tumor-like demyelinating disease,fulminant MS,pseudotumoral MSなどの病名で報告されている.特に初発で単発性の場合,MSではなく,むしろADEMの亜型と考えるべきとの意見もあり,見解は一致していない.MRI,MRSなどの画像診断を行っても,腫瘍と鑑別が困難な場合,脳生検が施行されることもある.病理学的には,高度の脱髄に加え,多数のマクロファージの浸潤と,大型で特異な反応性アストロサイト Creutzfeldt cellの出現が特徴的とされる.本稿ではtumefactive MSの臨床経過,鑑別診断,治療,予後について,最近の知見を中心に概要を述べる(著者抄録)