イタバシ ミチオ   Itabashi Michio
  板橋 道朗
   所属   医学部 医学科(東京女子医科大学病院)
   職種   特任教授
論文種別 原著
言語種別 日本語
査読の有無 査読あり
表題 全国アンケート調査からみた下部直腸がんに対する括約筋間切除術の術後排便障害の発生の現状と問題点
掲載誌名 正式名:日本消化器外科学会雑誌
ISSNコード:03869768/13489372
掲載区分国内
出版社 (一社)日本消化器外科学会
巻・号・頁 52(10),551-563頁
著者・共著者 船橋 公彦, 板橋 道朗, 赤木 由人, 幸田 圭史, 前田 耕太郎
発行年月 2019/10
概要 目的:全国アンケート調査から括約筋間切除術(intersphincteric resection;以下,ISRと略記)の術後排便障害発生の現状と問題点を明らかにする.方法:日本大腸肛門病学会の認定施設441施設を対象に無記名の郵送法で行った.結果:回答率は,39%(172施設)であった.調査対象の1年間にISRを施行した施設は88施設(51%)で,施行件数は5件未満に集中し7割を占めた.ISRの術後はほぼ全施設で一時的ストーマが造設されていた一方で,52%の施設で再発,吻合部の問題,括約筋機能障害の理由から閉鎖できず,一時的ストーマの永久化を経験していた.また,約9割の施設で一時的ストーマを閉鎖して術後2年以上経過している患者においても何らかの排便障害が認められ,便失禁は81%の施設で認められた.その原因には「括約筋切除量」,「肛門吻合トラブル」,「年齢」,「放射線療法」,「性」があがった.便失禁患者の頻度は,ISR術後患者の「20〜30%」に認めるとした施設が41%と最も多く,「半数」20%,「ほぼ全員」12%,「70〜80%」8%であった.発生した排便障害の各施設の対応は,術者が単独で対応している施設が最も多く,さまざまな対応法が考えられる中で薬物療法が多くを占めた.結語:ISRの術後には一時的ストーマの永久化や便失禁の重篤な排便障害が高率に発生している現状が判明した.術式の選択に大きな影響力をもつ外科医は,術後の排便障害を含めてISRを理解し,十分なインフォームドコンセントと適応を含めたISRの適正な実施が重要である.(著者抄録)
文献番号 2020027900