カンノ ヒトシ
  菅野 仁
   所属   医学部 医学科(東京女子医科大学病院)
   職種   特任教授
論文種別 総説
言語種別 日本語
査読の有無 査読あり
表題 本邦における骨髄不全症候群の現況 先天性赤芽球癆(Diamond-Blackfan貧血)の効果的診断法の確立に関する研究
掲載誌名 正式名:日本小児血液・がん学会雑誌
ISSNコード:2187-011X
巻・号・頁 49(3),256-263頁
著者・共著者 伊藤 悦朗, 照井 君典, 土岐 力, 小島 勢二, 小原 明, 大賀 正一, 森尾 友宏, 倉光 球, 菅野 仁, 佐藤 亜以子, 小川 誠司, 浜口 功
発行年月 2012/10
概要 Diamond-Blackfan貧血(DBA)は、乳児期に発症する稀な先天性赤芽球癆である。約40%に種々の先天異常を合併する。欧米では約50%のDBA患者にリボソームタンパク(RP)遺伝子の変異が認められるが、本邦のDBA患者のRP遺伝子変異の頻度は不明であった。我々は、本邦で発症した83例のDBA患者(76例の発端者)の末梢血からDNAを抽出し、DBAで遺伝子変異が報告されている8遺伝子を解析した。その結果、RPS19遺伝子変異が10例(8家系)、RPL5変異は6例(6家系)、RPL11変異は4例(4家系)で検出された。RPS10、RPS17とRPS26変異は、それぞれ1例(1家系)に認められた。興味深いことに、RPL5変異をもつ患者は6例中5例が身体的異常を合併し、そのうちの2例は口蓋裂を合併していた。次に、通常のシークエンス解析では片アレル欠失は検出できないため、定量的PCR法を用いた新規の片アレル欠失検出法を開発し、原因遺伝子が不明である27症例の解析を行った。その結果、片アレル欠失を7例(25.9%)に認めた。片アレル欠失はRPS17(3例)、RPS19(2例)、RPL5(1例)、RPL35a(1例)であった。以上、本邦におけるDBAの発端者76例中28例(36.8%)にRP遺伝子の変異を認めた。DBAの効果的診断法の確立のためには、さらに新規原因遺伝子の解明と信頼できるバイオマーカーの同定が必要である。(著者抄録)
文献番号 2013097197