ナカムラ シンイチ   NAKAMURA Shinichi
  中村 真一
   所属   医学部 医学科(東京女子医科大学病院)
   職種   教授
論文種別 原著
言語種別 日本語
査読の有無 査読あり
表題 潰瘍性大腸炎患者におけるdysplasiaの経過と発癌に関する検討 厚生労働省研究班分類に基づく検討
掲載誌名 正式名:東京女子医科大学雑誌
ISSNコード:00409022/24326178
掲載区分国内
出版社 東京女子医科大学学会
巻・号・頁 87(4),96-107頁
著者・共著者 米澤麻利亜†, 飯塚文瑛, 中村真一, 長嶋洋治, 徳重克年
発行年月 2017/08
概要 [目的]潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis:UC)患者における厚生労働省研究班分類に基づく異形成群(dysplasia:UC-I・IIa・IIb・III)の発癌を含む経過を明らかにすることを目的とした。[対象および方法]対象は当施設で下部消化管内視鏡検査を施行したUC420例で、初回生検病理組織の異型度別に臨床像、下部消化管内視鏡所見、発癌率、発癌の危険因子を解析した。また、UC-III検出例の経過と発癌因子について検討した。[結果]420例の観察期間(中央値)は7年であった。内視鏡所見的には、異型度が高くなるにつれ隆起型病変の頻度が有意に高かった。経過としては、異型度が高くなるにつれ発癌率が上昇し、特に初回生検でUC-IIa以上になると発癌率が8%/10年となり、UC-I以下と比較し有意に上昇した。また、若年発症で炎症性ポリープを有する症例に発癌率が有意に高かった。経過観察中にUC-IIIが検出されたのは29例で、うち8例(27.6%)が発癌しており、発癌例のUC-IVへの観察期間(中央値)は2.5ヵ月であった。[結論]UC-IIa以上、特にUC-IIIのdysplasiaが認められた症例では短期間にUC-IVが検出された。Dysplasiaの厚労省分類を参考に頻回のsurveillance colonoscopyによる厳重な経過観察が必要である。Colitic cancerの前癌病変として有用な所見であるUC-IIa以上のdysplasiaを早期発見、診断することがcolitic cancerの早期診断につながる。(著者抄録)
文献番号 2017360102