シミズ ユウコ   SHIMIZU Yuko
  清水 優子
   所属   医学部 医学科(東京女子医科大学病院)
   職種   准教授
論文種別 その他
言語種別 日本語
査読の有無 査読なし
招待の有無 招待あり
表題 多発性硬化症と視神経脊髄炎における髄液ミエリン塩基性蛋白(MBP)
掲載誌名 正式名:医学と薬学
ISSNコード:03893898
掲載区分国内
出版社 (株)自然科学社
巻・号・頁 64(2),281-286頁
著者・共著者 清水 優子, 藤原 一男, 久保 幸子, 三須 建郎, 富澤 雄二, 横山 和正, 高橋 利幸, 服部 信孝, 糸山 泰人, 内山 真一郎
担当区分 筆頭著者
発行年月 2010/08
概要 ミエリン塩基性蛋白(以下MBP)は中枢神経の髄鞘に存在する蛋白で169個のアミノ酸から成り立つ。多発性硬化症(MS)、神経ベーチェット病、脳血管障害などの疾患で、髄鞘が障害されると髄液中にMBPが検出されることが知られている。MSは中枢神経の炎症性脱髄疾患であり、視神経、脳、脊髄などに時間的、空間的に多発する病変を引き起こす。MBPはMSの急性増悪期に患者の髄液で高値になることから、MSの病勢の把握に有用な検査と考えられる。また近年、重症の視神経炎と横断性脊髄炎を特徴とする視神経脊髄炎(neuromyelitis optica:NMO)が注目されている。これまでわが国では、NMOは視神経脊髄型MSとして考えられていたが、NMO患者の血清中にアストロサイトの水チャンネルであるアクアポリン4(aquaporine4:AQP4)に対する自己抗体が発見された。NMOは視神経と脊髄が主病巣であるが、極端に女性に多く、3椎体以上の長い脊髄病変があり、髄液オリゴクローナルIgGバンド(OCB)の陽性率が低い、という臨床的特徴を持つ。抗AQP4抗体が発見されて以来、NMOとMSの病態の相違が次々と明らかになり、NMOはMSとは異なる疾患という概念が広がりつつある。しかし、これまで髄液MBPについてMSとNMOを検討した報告はない。今回われわれは、MSとNMO患者の髄液MBPの相違の有無について比較検討した。その結果NMOとMSでは髄液MBP値に有意差はなかったが平均値はNMOのほうがMSよりも高値であり、極めて高い値を示すNMO症例が一部認められた。最近の研究によれば、NMOの再発では抗AQP4抗体の病原性によりアストロサイトが広範に傷害されていると考えられるが、髄鞘も二次的にかなり傷害され髄液中のMBPがMSをしのぐほど高値を示すものと思われる。したがってNMOにおける髄鞘障害のマーカーとしても髄液MBP値は有用と思われる。(著者抄録)
文献番号 2010339347