ナガノ ヒロアキ   NAGANO HIROAKI
  長野 浩明
   所属   医学部 医学科(附属足立医療センター)
   職種   准教授
論文種別 症例報告
言語種別 日本語
査読の有無 査読あり
表題 卵巣low-grade serous carcinoma (LGSC)の3症例
掲載誌名 正式名:関東連合産科婦人科学会誌
略  称:関東産婦誌
ISSNコード:21860610 / 21860629
出版社 一般社団法人関東連合産科婦人科学会
巻・号・頁 51(4),603-610頁
著者・共著者 阿部結貴†, 長野浩明*, 上野麻理子, 河原且実, 髙木耕一郎, 松井英雄, 藤林眞理子
担当区分 2nd著者,責任著者
発行年月 2014/11
概要 近年,卵巣漿液性腺癌に,組織発生や臨床像の異なる2 群の独立した腫瘍群,すなわちlowgrade
serous carcinoma(LGSC)およびhigh-grade serous carcinoma(HGSC)が存在するこ
とが判ってきた.この診断は,MD Anderson Cancer Center のグループにより提唱された漿
液性腺癌の分化度の2 段階分類法等に基づいている.我々は最近,この方法によりLGSC
と診断された3 症例を経験したので,その病理組織所見を中心に臨床経過と共に報告する.
症例はそれぞれ64 歳,55 歳,31 歳の女性で,臨床進行期はIIIc,IIc,IIIc 期であり,摘出
物病理組織診断によりいずれもLGSC と診断された.3 例中全例に境界悪性腫瘍の共存を認
め,p53 変異陰性,エストロゲンレセプター,プロゲステロンレセプター陽性,3 例中2 例に
術前化学療法を施行したが奏効せず,等のLGSC にみられる特徴を有していた.
LGSC は比較的緩徐な経過をたどるが,進行例が多くその長期予後は決してよいとは言え
ない.欧米でのLGSC に対する注目度は高く,新たな治療の試みも始まっているが,我が国
は卵巣癌取り扱い規約上に組織分類として表記されておらず,認知度が低いのが現状である.
今後は近い将来,わが国でも取り扱い規約の改訂に対する検討が行われることが期待される.