イナダ ケン   INADA Ken
  稲田 健
   所属   医学部 医学科(東京女子医科大学病院)
   職種   非常勤講師
論文種別 原著
言語種別 日本語
査読の有無 査読あり
表題 大うつ病患者におけるmirtazapineの睡眠および食事摂取量と体重変動に対する臨床的評価
掲載誌名 正式名:臨床精神薬理
略  称:Jpn. J. Clin. Psychopharmacol.
ISSNコード:13433474
出版社 星和書店
巻・号・頁 17(11),1537-1543頁
著者・共著者 外賀真佑美†, 稲田健, 外賀裕次郎, 高橋結花, 高橋賢成, 木村利美, 石郷岡純
発行年月 2014/11
概要 【目的】
Mirtazapine (MTZ)は、ヒスタミンH1受容体への親和性が高く、が、実臨床での報告は少ない。そこで当院神経精神科入院患者の診療録を基に、睡眠及び食欲改善効果を後方視的に調査・解析したので報告する。
【方法】
2009年9月~2012年12月に、大うつ病の診断で入院加療中にMTZの内服を開始した51例を対象とした。調査期間は内服開始から60日間とした。
1. 睡眠改善の検討
患者の自記式による夜間の総睡眠時間とBenzodiazepine系睡眠薬(BZP)定期内服剤数で評価した。
睡眠時間は、各用量においての内服初日と翌日以降の内服時の平均、BZP定期内服剤数は、調査期間初日と最終日を比較した。
2. 食欲改善の検討
食事摂取量と体重の変化で評価した。
食事摂取量は、内服開始翌日と各用量内服時を比較し、体重は、調査期間初日と最終日を比較した。
なお、本研究の実施にあたっては、東京女子医科大学倫理委員会の承認を得て行った。
【結果】
全ての症例はMTZを15㎎から開始し、最終投与量は30㎎が14例、45㎎が37例であった。
1. 睡眠改善の検討
睡眠時間は、内服初日4.6±2.0(Mean±SD)hrから以降15㎎内服時6.3±2.0hrへと延長(P<0.05)がみられた。
BZP定期内服剤数の平均は、初日1.2±0.7剤から最終日0.49±0.5剤へと減少(P<0.05)し、うち減量により中止にできたのは22例だった。平均ジアゼパム換算の変化は、6.61㎎から1.96㎎であった。(P<0.05)
2. 食欲改善の検討
食事摂取量は用量に比例し増加傾向がみられたが、体重は調査期間初日と最終日で差は認められなかった。
【考察】
MTZ内服による治療は、早期から総睡眠時間を延長し、BZPの減量及び中止を可能とし、BZPの多剤併用や長期使用の防止策の一つになりうると考えられた。
食事摂取量は用量依存的に増加傾向であり、食事摂取が自由となる外来通院への移行前には十分な栄養指導が必要と考えられた。