クマキリ ジユン
  熊切 順
   所属   医学部 医学科(東京女子医科大学病院)
   職種   教授
論文種別 症例報告
言語種別 日本語
査読の有無 査読あり
表題 腹腔鏡手術後に気胸を発症した大量の血性胸腹水を伴う子宮内膜症の一例
掲載誌名 正式名:千葉県産科婦人科医学会雑誌
ISSNコード:21874174
掲載区分国内
出版社 (一社)千葉県産科婦人科医学会
巻・号・頁 8(1),32-36頁
著者・共著者 亀井 未央, 木村 博昭, 秋山 文秀, 羽生 裕二, 平敷 好一郎, 神山 正明, 鈴木 義也, 熊切 順
発行年月 2014/07
概要 子宮内膜症は、骨盤内のみならず、腹腔内、胸腔内、脳、皮膚など全身のいたるところで病変をつくり、さまざまな臨床症状を呈する疾患である。まれに血性胸腹水を伴うこともあるが、過去の報告は少なく、病態として十分に認知されていないため、診断に苦慮することも少なくない。本症例の患者は34歳、未経妊。月経開始数日後より徐々に増悪する労作時呼吸困難感を自覚していた。当院呼吸器科で大量の右胸水と腹水貯留を指摘され、精査目的に入院となった。入院後、悪性疾患との鑑別を中心に呼吸器科および当科で精査を行うも、診断確定には至らず、画像所見より右卵巣の腫瘍性変化が疑われたため、腹腔鏡手術を施行した。腹腔鏡にて、血性腹水の貯留、腹膜の赤色斑および小孔、右横隔膜腱中心の欠損孔、骨盤内の著しい癒着を認め、重度の子宮内膜症の所見であった。診断目的に右付属器切除を行ったが、右卵巣は黄体嚢胞であった。術後7日目に右気胸を指摘され、再入院となり、胸腔ドレナージと併行してGnRHa療法を開始した。保存的治療にて気胸は改善し、GnRHa療法を継続したところ、月経困難症症状の消失、CA125値の低下、胸腹水の著明な減少が得られ、現在まで呼吸器症状の再燃も認めていない。生殖年齢の女性において血性胸腹水を認めた場合、内膜症性嚢胞などの所見がなくても、子宮内膜症を鑑別に挙げる必要がある。(著者抄録)
文献番号 2014315315