カツマタ ヤスヒロ
  勝又 康弘
   所属   医学部 医学科(東京女子医科大学病院)
   職種   講師
論文種別 総説
言語種別 日本語
査読の有無 査読なし
表題 炎症性疾患 自己免疫疾患における炎症 全身性エリテマトーデスの免疫学的病態を例にとって
掲載誌名 正式名:東京女子医科大学雑誌
ISSNコード:00409022/24326178
掲載区分国内
出版社 東京女子医科大学学会
巻・号・頁 90(2),51-58頁
著者・共著者 勝又 康弘
担当区分 筆頭著者,責任著者
発行年月 2020/04
概要 全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus:SLE)の病態は幾つかのステージに分かれていると考えられる.遺伝的リスクがある集団に,ホルモン,微生物,食事,薬剤などの環境因子が加わって,エピジェネティックな変化も生じ,免疫寛容が破綻し,自己抗体がつくられ,種々の免疫異常が引き起こされ,その結果として生じる,免疫複合体の沈着や自己抗体介在性の組織障害が,全身のさまざまな症状や,慢性炎症による不可逆的な臓器障害を引き起こすと考えられている.SLEの免疫学的病態としては,様々なものが報告されていたが,その相互の関係や全体像は必ずしも明らかではなかった.しかし2003年頃からの一連の研究により,それらが互いに関連づけられ,interfeon(IFN) signatureと呼ばれているI型IFN誘導遺伝子群の過剰発現を通して,1枚の絵の中で理解できるようになってきた.すなわち,SLE病態の最近の仮説では,アポトーシスやneutrophils extracellular traps(NETs)由来のDNAやRNAがToll-like receptorを介してplasmacytoid dendritic cellを刺激してI型IFNが産生され,あるいは他の経路で産生されたIFNが樹状細胞やマクロファージを刺激し,BAFF(B cell activating factor belonging to the tumor necrosis factor family)の産生を介してB細胞が活性化されたり,制御性T細胞の機能が低下させられたり,炎症細胞が局所に遊走するなどして,腎や皮膚などの組織障害を招くと推測されている.(著者抄録)
DOI 10.24488/jtwmu.90.2_51
文献番号 2020277566