ワカバヤシ ヒデタカ   Wakabayashi Hidetaka
  若林 秀隆
   所属   医学部 医学科(東京女子医科大学病院)
   職種   教授・基幹分野長
論文種別 原著
言語種別 日本語
査読の有無 査読あり
表題 誤嚥性肺炎患者に対するチーム医療による早期経口摂取が在院日数と退院時経口摂取に及ぼす影響
掲載誌名 正式名:日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌
ISSNコード:13438441/24342254
掲載区分国内
出版社 (一社)日本摂食嚥下リハビリテーション学会
巻・号・頁 24(1),14-25頁
著者・共著者 小山 珠美, 若林 秀隆, 前田 圭介, 篠原 健太, 平山 康一, 社本 博, 百崎 良
担当区分 2nd著者
発行年月 2020/04
概要 【目的】当院では、チーム医療による早期経口摂取開始に取り組んできた。誤嚥性肺炎患者に対する入院後早期の経口摂取開始が、在院日数と退院時経口摂取に及ぼす影響を検討した。【対象と方法】2014年4月から2018年3月までに誤嚥性肺炎で当院に入院した65歳以上の380名を対象とした。死亡者を除外した。年齢、性別、要介護度、入院前生活場所、入院時肺炎重症度分類(A-DROP)、入院後経口摂取開始までの日数、入院後2日以内の経口摂取開始、リハビリテーションの有無、経口摂取開始後発熱、在院日数、退院時摂食嚥下レベル(FOIS)、退院時経口摂取の有無、自宅退院の有無を診断群分類包括評価(DPC)データから後方視的に調査した。また、チーム医療無群とチーム医療有群に分類し、両群を比較したうえで、早期経口摂取による在院日数、退院時経口摂取への影響を検討した。統計解析は単変量解析としてカイ2乗検定、t検定、Mann-WhitneyのU検定、多変量解析として重回帰分析、ロジスティック回帰分析を行い、有意水準は5%未満とした。【結果】対象者の年齢(平均値±標準偏差)は85.9±7.0歳、経口摂取開始日(中央値)は3日、在院日数(中央値)は21日、退院時経口摂取は294名(77%)であった。チーム医療有無群で比較すると、単変量解析では、入院時A-DROP、リハビリテーション介入、退院時FOIS、退院時経口摂取、在院日数に有意差がみられた。多変量解析では、在院日数に有意に関連した因子は、要介護度(β=-0.215)、入院前生活場所(β=0.146)、チーム医療(β=-0.151)、入院後2日以内経口摂取開始(β=-0.134)、リハビリテーション介入(β=0.145)、経口摂取開始後発熱(β=0.202)、退院時FOIS(β=-0.280)、退院先(β=-0.184)であった。退院時経口摂取に有意に関連した因子は、年齢(オッズ比=1.039)、チーム医療(オッズ比=3.196)、入院後2日以内の経口摂取開始(オッズ比=4.095)であった。【考察】急性期医療でのチーム医療による早期経口摂取開始は、在院日数を短縮し、退院時経口摂取率を高める可能性が示唆された。(著者抄録)
文献番号 2020280388