佐藤 孝俊
   Department   School of Medicine(Tokyo Women's Medical University Hospital), School of Medicine
   Position   Assistant Professor
Article types Original article
Language English
Peer review Peer reviewed
Title 福山型先天性筋ジストロフィーにおける不眠の検討(Insomnia in Patients with Fukuyama Congenital Muscular Dystrophy)
Journal Formal name:東京女子医科大学雑誌
ISSN code:00409022/24326178
Domestic / ForeginDomestic
Publisher 東京女子医科大学学会
Volume, Issue, Page 83(臨増),pp.E42-E46
Author and coauthor 佐藤 孝俊, 石垣 景子, 梶野 幸子, 齊藤 崇, 村上 てるみ, 加藤 郁子, 舟塚 真, 斎藤 加代子, 大澤 眞木子
Publication date 2013/01
Summary 福山型先天性筋ジストロフィー(Fukuyama congenital muscular dystrophy:FCMD)は,顔面筋罹患および中枢神経系の合併を特徴とし,本邦において,Duchenne型筋ジストロフィーに次いで,二番目に多い筋ジストロフィーである.不眠は,FCMD患者にしばしば合併し,在宅療養での問題の一つとなる.特に,外泊先での不眠が問題となることが多く,家族は,その管理に難渋するため,患者および家族のQuality of lifeは大きく損なわれる.しかし,我々の検索し得た範囲内で,FCMDの不眠に関する研究は今までに報告がなく,広汎性発達障害をはじめとする,他の神経疾患・発達障害のように,知見の蓄積や確立された治療方針もない.今回,我々は,当科で3年間以上継続して経過観察し,遺伝子検査にて確定診断したFCMD患者47名の不眠について,後方視的に検討した.不眠の合併頻度は,47名中15名(32%)であり,入眠困難を9名,中途覚醒を5名,早朝覚醒を1名に認めた.8名に対して,各種睡眠薬が使用されていたが,どの薬剤も、家族が満足を得られるまでの明らかな有効性は確認できなかった.しかし,入眠困難を呈した3名に対し,エチゾラムおよびエスタゾラムは,睡眠導入に関して一定の有効性は示された。さらに,最近本邦でも,その使用が拡大されてきているメラトニンも,同じく入眠困難を示した患者1名に試用され,その有効性が示唆された.今回の検討では,FCMD患者に不眠の合併が多いことが示されたが,有効な睡眠薬に関しては使用例が少なく,有効な候補薬を示すに留まり,十分な検討には至らなかった.(著者抄録)
Document No. 2013199873