イトウ ナオコ
  井藤 奈央子
   所属   医学部 医学科(東京女子医科大学病院)
   職種   助教
論文種別 症例報告
言語種別 日本語
査読の有無 査読なし
表題 学校検尿異常にて発見され、腎不全に至った片腎低形成腎の1例
掲載誌名 正式名:日本小児腎不全学会雑誌
ISSNコード:13415875
掲載区分国内
出版社 日本小児腎不全学会
巻・号・頁 30,250-252頁
著者・共著者 井藤 奈央子, 郭 義胤, 黒木 理恵, 兒玉 志保, 宗 秀典, 堤 康, 亀崎 健太郎, 兼光 聡美, 波多江 健, 久野 敏
発行年月 2010/08
概要 19歳男児。8歳時の学校検尿で血尿、蛋白尿を指摘され当科受診し、検査所見で血清Crと尿酸の上昇を認め、推定GFRは68.2ml/min/1.73m2であった。腹部エコーで右腎の描出はなく、左腎の大きさは年齢相当であったが、腎実質の輝度は上昇していた。ACE阻害薬と球形吸着炭の内服を開始したが、血清Crは緩徐に上昇した。エコー上左腎の大きさは保たれ、蛋白尿も持続していたため、腎炎の可能性も考えて14歳時に開放腎生検を施行したところ、糸球体は11個で、糸球体数は1.3〜1.5個/mm2と少なく、肥大した糸球体もみられた。増殖性変化は軽度で、間質には中等度の線維化や尿細管の萎縮・拡張、嚢胞形成を認めた。蛍光抗体法ではメサンギウム領域に免疫グロブリンと補体の軽度沈着を、電顕所見では同領域へのdense deposit沈着や足突起の局所的な癒合を認めた。低形成腎でoligomeganephroniaに近い組織と考え、その後も保存的治療を継続したが、徐々に腎機能は低下し、17歳時に母親をドナーとしたpre-emptive腎移植を施行した。術後経過は良好である。
文献番号 2010340468