ナガイ トモヒト
  永井 智仁
   所属   医学部 医学科(東京女子医科大学病院)
   職種   助教
論文種別 症例報告
言語種別 日本語
査読の有無 査読なし
表題 咳喘息として治療されていた縦隔原発Hodgkin病の1例
掲載誌名 正式名:診断と治療
ISSNコード:0370-999X
巻・号・頁 100(8),1413-1416頁
著者・共著者 永井 智仁, 出雲 雄大, 宮本 由香里, 難波 麻衣, 玉置 淳, 永井 厚志
担当区分 筆頭著者
発行年月 2012/08
概要 35歳女。約10ヵ月前より皮膚そう痒感、2ヵ月前より乾燥性咳嗽と微熱が出現し、近医にて咳喘息として治療されていたが改善せず、当科に精査加療目的で入院となった。体幹・四肢・顔面の皮膚にそう痒感を伴う丘疹および下腿浮腫があり、両側鎖骨上窩リンパ節、左腋窩リンパ節を触知し、腫瘍マーカーは可溶性IL-2受容体が高値を示した。胸部X線では、両側肋骨横隔膜角は鈍で、縦隔陰影の拡大を認め、CTでは前縦隔に辺縁不整で内部不均一で一部縦隔リンパ節と一塊になった10×5cmの腫瘤を認めた。また、両側鎖骨上窩リンパ節、左腋窩リンパ節腫大、心嚢液、左側優位の両側胸水貯留を認めた。入院第5病日の左鎖骨上窩リンパ節生検所見は、線維化した基質を背景に大型で明るい胞体と核を持つ異型細胞が浸潤性増殖し、免疫染色ではCD30陽性を呈した。FDG-PETで両側頸部、鎖骨上窩、腋窩、縦隔、左傍大動脈および左傍心膜に多発性異常集積を認め、結節硬化型Hodgkinリンパ腫stage IVBと診断した。第19病日よりABVD療法を開始し、第35病日には症状は消失し、表在リンパ節も触知しなくなり、可溶性IL-2受容体も正常化した。3コース終了後のX線では、陰影は著明に消失し、胸水も消失した。
文献番号 2012361317