オダ ユウイチ
  小田 侑一
   所属   医学部 医学科(東京女子医科大学病院)
   職種   助教
論文種別 その他
言語種別 日本語
査読の有無 査読あり
表題 出血を繰り返し再増大した視神経膠腫の一例
掲載誌名 正式名:日本内分泌学会雑誌
ISSNコード:00290661/2186506X
掲載区分国内
出版社 (一社)日本内分泌学会
巻・号・頁 96(Suppl.HPT),71-74頁
著者・共著者 HoriTakahiro, AmanoKosaku, OdaYuichi, ChibaKentaro, KawamataTakakazu
発行年月 2020/08
概要 27歳男。16歳時に頭痛の原因精査で鞍上部腫瘍と水頭症を指摘され、当科に紹介された。脳室腹腔短絡術を施行したのち開頭腫瘍摘出術を行い、病理診断はpilocytic astrocytoma(PA)であった。術後は1年毎のMRIで経過観察した。腫瘍は全く増大せず10年が経過した後、突然の頭痛・意識障害が出現し、腫瘍の増大と水頭症を認めた。緊急に脳室腹腔短絡術を施行したのち開頭腫瘍摘出術を行い、症状は改善し、病理診断はPAであった。その3ヵ月後、再び頭痛と意識障害が出現し、MRIで腫瘍の再増大、CTで腫瘍内に出血を認めた。視野障害も認め、腫瘍摘出術を行った。前半球間裂アプローチで腫瘍に到達し、前交通動脈および視交叉の後方で腫瘍の隔壁を破ると透明黄色の液体成分が流出した。腫瘍内の幾つかの隔壁を破りながら後下方に向けて腫瘍を摘出していくと、比較的新しい血腫を認めた。腫瘍は多房性で、線維化した隔壁の中に腫瘍実質成分と血液成分を含み、腫瘍内で繰り返し出血を起こしていたことが示唆された。病理診断はPAで、術直後に疼痛は改善したが、視野障害は不変であった。その後1年が経過した現在まで再出血や腫瘍の再増大は認めていない。
DOI https://doi.org/10.1507/endocrine.96.S.HPT_4
文献番号 2021173233