ミウラ ケンイチロウ   MIURA Ken'ichirou
  三浦 健一郎
   所属   医学部 医学科(東京女子医科大学病院)
   職種   教授
論文種別 原著
言語種別 日本語
査読の有無 査読なし
表題 わが国の慢性透析療法の現況(2023年12月31日現在)
掲載誌名 正式名:日本透析医学会雑誌
ISSNコード:13403451/1883082X
掲載区分国内
出版社 (一社)日本透析医学会
巻・号・頁 57(12),543-620頁
著者・共著者 正木 崇生, 花房 規男, 阿部 雅紀, 常喜 信彦, 星野 純一, 谷口 正智, 菊地 勘, 長谷川 毅, 後藤 俊介, 駒場 大峰, 中井 滋, 長沼 俊秀, 福間 真悟, 三浦 健一郎, 山本 卓, 和田 篤志, 友 雅司, 日本透析医学会統計調査委員会
発行年月 2024/12
概要 日本透析医学会統計調査(JSDT Renal Data Registry:JRDR)の2023年末時点における年次調査は,4,529施設を対象に実施され,施設調査票に関しては4,470施設(98.7%),患者調査票に関しては4,284施設(94.6%)のほぼ例年通りの回答を得た.わが国の透析患者数は近年増加速度が低下していたが,2023年末の施設調査結果による透析患者数も343,508人と,前年に続き減少した.人口百万人あたりの患者数は2,762.4人であった.患者調査結果による平均年齢は70.09歳で,最も多い原疾患は糖尿病性腎症(39.5%),次いで慢性糸球体腎炎(23.4%),第3位は腎硬化症であった(14.0%).2023年の施設調査結果による透析導入患者数は38,764人であり,2022年から919人減少した.患者調査結果による透析導入患者の平均年齢は71.59歳であり,原疾患では糖尿病性腎症が最も多く38.3%で,昨年より0.4ポイント少なかった.第2位は腎硬化症(19.3%)で,2019年から慢性糸球体腎炎を上回り,増加が持続している.2023年の施設調査結果による年間死亡患者数は38,073人であり,前年に比較して391人減少した.年齢調整がされていない年間粗死亡率も,昨年と同じく11.0%であった.主要死因は感染症(22.7%),心不全(20.4%),悪性腫瘍(7.6%)の順で,2023年も感染症が最も多かった.2012年以降,血液透析濾過(HDF)患者数は急増しており2023年末の施設調査票による患者数は203,113人で,維持透析患者全体の59.1%を占めた.腹膜透析(PD)患者数は10,585人で2017年から増加傾向にある.PD患者のうち21.0%は血液透析(HD)やHDFとの併用療法であり,この比率はほぼ一定していた.2023年末の在宅HD患者数は799人であり,2022年末から28人減少した.2023年は,新規調査として施設調査でバスキュラーアクセス管理におけるエコー使用状況,プローブヘッドの消毒状況,患者調査では運動療法,栄養指導,生活活動度に加え,2023年1年間のイベント発症(悪性腫瘍,深部静脈血栓症,肺塞栓症,シャント閉塞,眼底出血),1年間の入院の有無と理由を行い,引き続き,新型コロナウイルス感染症,生体腎移植による腎提供の既往が調査された.これらのデータはそれぞれの疾患・患者に関する基礎資料となり,その結果から,より治療効果の高い日常臨床パターンの提案が期待される.(著者抄録)
文献番号 2025119545