オマタ タク   OMATA Taku
  小俣 卓
   所属   医学部 医学科(附属八千代医療センター)
   職種   准教授
論文種別 原著
言語種別 日本語
査読の有無 査読あり
表題 重症心身障害児(者)における肺膿瘍の検討
掲載誌名 正式名:脳と発達
ISSNコード:00290831/18847668
掲載区分国内
出版社 (一社)日本小児神経学会
巻・号・頁 49(5),322-325頁
著者・共著者 渡辺 淑†*, 小俣 卓, 星野 直, 水落 弘美, 児玉 一男, 岩瀬 由紀子
発行年月 2017/09
概要 【目的】重症心身障害児(者)における呼吸器感染症の予防・治療は、生命予後を大きく左右する。慢性的な誤嚥から肺膿瘍を含む重症呼吸器感染症に進展し、多臓器病変の合併から重篤な経過をたどることもある。肺膿瘍の早期診断・治療のため、重症心身障害児(者)における肺膿瘍の臨床像について検討したので報告する。【方法】1993年4月から2014年8月の間に当院で肺膿瘍と診断し入院加療を行った。大島分類が2以下の重症心身障害児(者)5例を対象に臨床的特徴について診療録より後方視的に検討した。【結果】男性3例、女性2例。発症年齢は平均11歳(4~34歳)。全例に側彎症と側彎凹側に一致する肺膿瘍、誤嚥性肺炎、無気肺の既往を認めた。初発症状は5例中3例が発熱のみで、全例に著明な白血球増多とCRP上昇を認めた。全例が経過中に、遷延する発熱と気道症状の悪化を呈し、2例で胸部単純X線に腫瘤影を認めた。胸腔穿刺を施行した4例中3例で、嫌気性菌を含む口腔内常在菌の混合感染を確認した。抗菌薬投与により軽快し、外科治療を要した症例はなかった。【考察】発熱のみであっても側彎を有する重症心身障害児(者)は、側彎凹側に肺膿瘍をきたす可能性があり、遷延する発熱や炎症反応上昇、胸部単純X線の腫瘤影は重症呼吸器感染症を疑う所見となる。重症呼吸器感染症の予防には、日常的な口腔ケアや体位ドレナージ、適切な食事形態の評価が重要となる。(著者抄録)
DOI 10.11251/ojjscn.49.322
文献番号 2017342315