ニイナミ ヒロシ
NIINAMI Hiroshi
新浪 博 所属 医学部 医学科(東京女子医科大学病院) 職種 教授・基幹分野長 |
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論文種別 | 原著 |
言語種別 | 日本語 |
査読の有無 | 査読なし |
表題 | 胸骨後経路胃管再建術後に左小開胸アプローチで右冠動脈領域に大伏在静脈を用いたA-Cバイパスを施行した1例 |
掲載誌名 | 正式名:日本心臓血管外科学会雑誌 ISSNコード:02851474/18834108 |
掲載区分 | 国内 |
出版社 | (NPO)日本心臓血管外科学会 |
巻・号・頁 | 54(2),64-68頁 |
著者・共著者 | 新妻 楠望†, 中前 亨介, 森田 耕三, 中村 喜次, 新浪 博士 |
発行年月 | 2025/03 |
概要 | 症例は73歳男性で10年前に食道癌に対して食道全摘術および胸骨後経路での胃管再建術を施行された.右冠動脈近位部に対して経皮的冠動脈形成術の既往があるが,今回胸痛を主訴に当院受診し,急性冠症候群の疑いで冠動脈造影検査を施行され,右冠動脈近位部に留置されたステント内に再狭窄を認め,責任病変と判断された.薬剤溶出性バルーンによる拡張を施行され症状は改善したものの,ステントの拡張不良による狭窄が残存したため,冠動脈バイパス術目的に当科紹介となった.CTでは胸骨直下に再建した胃管があり,胸骨正中切開でのアプローチは胃管損傷のリスクが高いと考えられた.左小開胸アプローチとし,グラフトは大伏在静脈を選択した.手術は右半側臥位で左第5肋骨上に前腋窩線から鎖骨中線上まで約10cmの皮膚切開をおき,同一皮膚切開から第5肋間と第3肋間をそれぞれ開胸し,房室結節枝と上行大動脈の視野を展開した.まず第3肋間から3.8mmのパンチャーとハートストリングIII(Getinge,Lindholmspiren,Sweden)を用いて大伏在静脈を上行大動脈に中枢側吻合した.次に大伏在静脈を左胸腔内経由で誘導し,第5肋間の視野で房室結節枝に側々吻合した.吻合後のグラフト血流量は48ml/minであった.術後経過は特記した異常なく,造影CTでバイパス血流が保たれていることを確認し,術後12日目に自宅退院となった.食道癌術後に心臓手術が必要となった症例報告は散見されるが,アプローチや術式選択に工夫を要することが多いため,文献的考察を加えて報告する.(著者抄録) |
DOI | 10.4326/jjcvs.54.64 |
文献番号 | 2025188535 |