タカヤマ ユキコ   TAKAYAMA Yukiko
  高山 敬子
   所属   医学部 医学科(東京女子医科大学病院)
   職種   講師
論文種別 総説
言語種別 日本語
査読の有無 査読なし
表題 超音波内視鏡下組織採取後の穿刺経路腫瘍細胞播種に関する全国調査
掲載誌名 正式名:Gastroenterological Endoscopy
ISSNコード:03871207/18845738
掲載区分国内
出版社 (一社)日本消化器内視鏡学会
巻・号・頁 66(3),312-326頁
著者・共著者 北野雅之, 吉田真誠, 蘆田玲子, 喜多絵美里, 潟沼朗生, 糸井隆夫, 三方林太郎, 西川健一郎, 松林宏行, 高山敬子, 加藤博也, 竹中 完, 植木 亨, 川嶌洋平, 中井陽介, 橋元慎一, 重川 稔, 根引浩子, 津村英隆, 岡部義信, 良沢昭銘, 原田宜幸, 美登路昭, 佐々木民人, 保田宏明, 三浦夏希, 池本哲也, 小澤栄介, 塩路和彦, 山口 厚, 奥薗 徹, 森山一郎, 久居弘幸, 藤田光一, 後藤拓磨, 白幡名香雄, 岩田恵典, 岡部純弘, 原 和生, 橋本裕輔, 桑谷将城, 伊佐山浩通, 藤森 尚, 正宗 淳, 幡丸景一, 下川敏雄, 岡崎和一, 竹山宜典, 山上裕機, 日本膵臓学会臨床研究推進委員会
発行年月 2024/03
概要 【背景・目的】超音波内視鏡下組織採取法(EUS-guided tissue acquisition:EUS-TA)は,膵腫瘍の診断において重要な役割を担っている.本研究では,膵腫瘍のEUS-TA後の穿刺経路腫瘍細胞播種(Needle tract seeding:NTS)の現状を本邦の全国調査から明らかにすることを目的とした.【方法】2010年4月から2018年3月までに実施した原発性膵腫瘍に対するEUS-TA後に外科的切除を受けた患者を調査対象とした.NTSの発生率を求め,浸潤性膵管癌(Pancreatic ductal adenocarcinoma:PDAC)およびその他の腫瘍の患者,PDACの経胃・経十二指腸EUS-TAを受けた患者の間で比較した.さらに,NTS患者の詳細な特徴や予後も評価した.【結果】合計12,109人の患者が,EUS-TA後に原発性膵腫瘍の外科的切除を受けた.NTSの全発生率は0.330%であり,その発生率は他の腫瘍を有する患者よりもPDACを有する患者で有意に高かった(0.409% vs. 0.071%,P=0.004).NTSは,経胃EUS-TAを受けた患者の0.857%で観察されたが,経十二指腸EUS-TAを受けた患者の中では観察されなかった.PDACのNTSを認めた患者のうち,EUS-TAからNTSの発生までの期間の中央値および患者の生存期間の中央値は,それぞれ19.3ヵ月および44.7ヵ月であり,NTSの97.4%が胃壁に発生し,65.8%が切除された.患者生存期間は,NTS切除を行った患者では,NTS切除を行わなかった患者よりも有意に長かった(P=0.037).【結論】NTSは,経十二指腸EUS-TA後では発生せず,経胃EUS-TA後にのみ出現した.慎重な経過観察により,局所的なNTS病変を胃切除術で治療する機会が得られる.(著者抄録)
DOI 10.11280/gee.66.312
文献番号 2024227919