ナカタニ リヨウ   Nakatani Riyou
  中谷 諒
   所属   医学部 医学科(東京女子医科大学病院)
   職種   助教
論文種別 症例報告
言語種別 日本語
査読の有無 査読あり
表題 Na排泄分画が体液管理に有用であったNSAKIの1例
掲載誌名 正式名:日本小児体液研究会誌
ISSNコード:24239739
掲載区分国内
出版社 日本小児体液研究会
巻・号・頁 16,40-45頁
著者・共著者 安藤 太郎, 三浦 健一郎, 友利 伸也, 中谷 諒, 加藤 彩, 白井 陽子, 石塚 喜世伸, 種田 積子, 西野 智彦, 高橋 和浩, 山口 裕, 服部 元史
発行年月 2024/05
概要 背景:ネフローゼ症候群(NS)における急性腎障害(NSAKI)の体液管理はしばしば困難を伴うため、血管内容量を適切に把握し治療する必要がある。症例:7歳女児、浮腫、低アルブミン血症、顕微鏡的血尿、高度蛋白尿で発症し、高血圧と腎機能障害を伴っていた。入院3日目に腎生検を実施し、急性尿細管障害を認め糸球体は微小変化であった。微小変化型NSと診断しプレドニゾロン(PSL)を開始した。体重は病前より2.0kg増加し、心房性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)の上昇と下大静脈(IVC)径の拡張もありoverfill(遠位尿細管でのNa再吸収から血管内容量が増加した状態)と判断し利尿薬と降圧薬で管理した。Na排泄分画(FENa)は0.17-0.40%で経過した。入院8日目、血清Cr 3.0mg/dLに上昇したが、血圧、BNPは低下傾向でIVC径も縮小し、FENaも0.1%程度に低下したため、underfill(低アルブミン血症による膠質浸透圧の低下から血管内容量が減少した状態)と判断し、連日のアルブミン投与を行い、尿量の増加を得た。腎機能は正常化し、PSL開始17日後に完全寛解した。結論:血圧、エコー所見、BNP、FENaなどの指標を参考に適切な体液管理を行い、NSAKIの改善を得た。小児NSのunderfillの基準の1つとしてFENa0.2%未満が提案されており、本症例でも有用な指標であった。(著者抄録)
文献番号 Y606310008<Pre 医中誌>