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            オオツボ テンペイ
            OOTSUBO Tenpei
           大坪 天平 所属 医学部 医学科(附属足立医療センター) 職種 特任教授  | 
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| 論文種別 | 総説 | 
| 言語種別 | 日本語 | 
| 査読の有無 | 査読なし | 
| 招待の有無 | 招待あり | 
| 表題 | 精神科薬物治療におけるゴール、そして終結は | 
| 掲載誌名 | 正式名:臨床精神薬理 ISSNコード:13433474  | 
| 掲載区分 | 国内 | 
| 出版社 | (株)星和書店 | 
| 巻・号・頁 | 19(3),251-257頁 | 
| 著者・共著者 | 大坪 天平 | 
| 発行年月 | 2016/03 | 
| 概要 | 精神科薬物治療のゴールは、寛解の維持と回復にあるのは確かであろう。しかし、それはあくまでもさしあたってのゴールであり、一般に、薬物治療を維持・継続させながら達成させるものである。薬物治療の終結は、寛解の維持と回復が達成されなければありえないが、薬物治療の終結に関しての知見は驚くほど少ない。多くのエビデンスは、統合失調症、双極性障害、うつ病、不安障害、てんかんにおいて、服薬の中断による再発の危険性を示している。つまり、積極的に薬物治療の終結を推奨するエビデンスはない。言い換えると、精神科医は精神疾患の薬物治療の終結をある程度以上の確信のもとに決断することはできない。おそらく、精神疾患の種類によっても、薬物治療の終結を決断することの困難さの理由が異なってくるであろう。我々医師は、患者に対して、最小限の介入で最良の転帰を導く方法を日々試行錯誤しているが、再発予防にばかり着目し、服薬を継続することが、かえって患者のレジリアンスの邪魔をする可能性があることは知っておくべきかもしれない。薬物治療の継続が、耐性による反応の鈍化、治療抵抗性の惹起、あるいは過感受性亢進を通して、ホメオスタシスの崩壊を導く可能性も考慮しなければならない。精神科薬物治療のゴール、そして終結に関して、今後のさらなる検討が希求される。(著者抄録) | 
| 文献番号 | 2016152538 |