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            オオツボ テンペイ
            OOTSUBO Tenpei
           大坪 天平 所属 医学部 医学科(附属足立医療センター) 職種 特任教授  | 
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| 論文種別 | 総説 | 
| 言語種別 | 日本語 | 
| 査読の有無 | 査読なし | 
| 招待の有無 | 招待あり | 
| 表題 | 現在の社会的病理を反映するcommon diseaseとしての不安障害~最近の臨床像の動向と対応 Common diseaseとしての全般不安症(GAD) | 
| 掲載誌名 | 正式名:日本社会精神医学会雑誌 ISSNコード:09191372  | 
| 掲載区分 | 国内 | 
| 出版社 | (一社)日本社会精神医学会 | 
| 巻・号・頁 | 32(3),213-218頁 | 
| 著者・共著者 | 大坪 天平 | 
| 発行年月 | 2023/08 | 
| 概要 | 全般不安症(GAD)の1年有病率は0.4~3.6%,生涯有病率は4~9%であり,疫学的にはcommon diseaseといえる。しかし,わが国においては,操作的診断基準を目の前にするか,構造化面接を使わない限り,通常の診療ではなかなかつけられることがない。その理由は,GADの診断基準がもともと残遺カテゴリーから出発し,"心配"を中心とする独立カテゴリーとして再構築されたことを起源としている。"心配"は他の精神疾患や身体疾患でもよくみられる症状であり,疾患の中心症状としての特異性があまりにもなさすぎる。また,GADは他の精神疾患とのcomorbidity率が極めて高く,そのdistinct entityとしての存在に疑問を生じずにいられない。そもそも,この40年間,GADの診断基準自体が大きく揺らいでおり,DSMとICDでも大きく異なっていた。"GADはうつ病の前駆症状,残遺症状,増悪因子,あるいは重症度指標にすぎないのではないか"との指摘もある。わが国おけるGAD患者は,うつ病や他の不安症,あるいは身体表現性障害などの診断で,治療されている可能性が高い。なかには,多剤併用となっている場合もあるかもしれない。このような状況を脱するためには,わが国において,さらなるGADの啓発,GADの適応をもつ抗うつ薬の導入,GADの診療ガイドラインの作成が必要と考えられる。(著者抄録) | 
| 文献番号 | X907050003<Pre 医中誌> |