タハラ ジユンコ   Tahara Jiyunko
  田原 純子
   所属   医学部 医学科(東京女子医科大学病院)
   職種   非常勤講師
論文種別 総説
言語種別 日本語
査読の有無 査読なし
表題 (各領域における分子標的薬の役割)(5)臨床4:消化器疾患と分子標的薬
掲載誌名 正式名:東京女子医科大学雑誌
ISSNコード:00409022/24326178
掲載区分国内
出版社 東京女子医科大学学会
巻・号・頁 92(5),153-157頁
著者・共著者 田原純子†
担当区分 筆頭著者
発行年月 2022/10
概要 がん薬物療法の進歩は著しく、中でも分子標的薬の開発により腫瘍の治療成績が大きく改善することに貢献している。消化器がんに対しても分子標的薬の出現により、細胞障害性抗がん剤の上乗せ効果が得られ予後改善に繋がってる。分子標的薬は分子量の違いにより細胞外分子標的薬としての抗体薬と細胞内分子標的薬としての低分子阻害薬に大別される。通常、分子標的薬は標的分子により分類されており、細胞膜受容体に結合するリガンドや細胞膜の膜結合型分子などがある。大腸がんで投与されるベバシズマブはリガンド標的薬であるVEGF受容体薬である。同じく大腸がんで投与されるEGFR抗体薬であるセツキシマブやパニツズマブや胃がんで投与されるHER2標的薬であるトラスツマブは膜受容体標的薬に分類される。炎症性腸疾患で投与されるインフリキシマブ、アダリムマブ、ゴリムマブは可溶型膜結合型標的薬に分類される。一方、マルチキナーゼ阻害薬であるソラフェニブやスニチニブ、mTOR阻害薬であるエベロリムス、エルロチニブなどのEGFRチロシンキナーゼ阻害薬は小分子標的薬に分類される。また分子標的薬は細胞障害性抗がん剤と比較し血球減少はきたしにくいが、皮膚障害や高血圧など分子標的薬特有の有害事象があるため適切な対応が必要である。消化器疾患領域においても、このような分子標的薬が臨床導入され有効性が明らかになり、さらなる薬物療法の発展が期待されている。(著者抄録)
文献番号 2023041405