ナカバヤシ アキラ   Nakabayashi Akira
  中林 章
   所属   医学部 医学科(東京女子医科大学病院)
   職種   准教授
論文種別 症例報告
言語種別 日本語
査読の有無 査読あり
表題 卵管間膜に発生した成人型顆粒膜細胞腫の1例
掲載誌名 正式名:東京産科婦人科学会会誌
ISSNコード:21860599
掲載区分国内
出版社 (一社)東京産科婦人科学会
巻・号・頁 71(3),542-548頁
著者・共著者 下地 香乃子, 本橋 卓, 川崎 真央, 堀部 悠, 菅野 俊幸, 秋澤 叔香, 中林 章, 熊切 順, 舟本 寛, 田畑 務, 山本 智子, 長嶋 洋治
発行年月 2022/07
概要 卵巣顆粒膜細胞腫は多様な所見を呈し、特徴的な所見が乏しく術前診断に苦慮することが多い。異所性発生は稀だが、今回卵管間膜に発生した成人型顆粒膜細胞腫を経験したので報告する。症例は47歳 3妊2産 腹部膨満・過多月経を主訴に受診、経腟超音波断層法で多発子宮筋腫を認めた。MRIでは筋腫の他に右付属器領域に4cm大の腫瘤を認め、画像診断で悪性を否定できず開腹手術の方針とした。右付属器腫瘤は卵巣とは連続せず卵管間膜内に発育していた。術中迅速病理診断では顆粒膜細胞腫であったため、腹式単純子宮全摘出術、両側付属器摘出術、大網部分切除術を施行した。病理組織診断では核溝を有する腫瘍細胞が認められ、成人型顆粒膜細胞腫と診断された。病変に接した卵管・卵巣組織に異常はなく、卵管間膜由来と考えられた。異所性顆粒膜細胞腫の報告例は少なく、治療方針に関する明確なガイドラインは示されていないが、卵巣顆粒膜細胞腫と同様に、長期経過観察が必要である。子宮広間膜発生の腫瘤性病変を認めた場合、異所性顆粒膜細胞腫も念頭に置く必要がある。病理組織学的に診断が困難である場合には、FOXL2遺伝子検査は、異所性顆粒膜細胞腫の診断の一助となる。(著者抄録)
文献番号 2022282348