キシ タカユキ
Kishi Takayuki
岸 崇之 所属 医学部 医学科(東京女子医科大学病院) 職種 講師 |
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論文種別 | 症例報告 |
言語種別 | 日本語 |
査読の有無 | 査読あり |
表題 | 新型コロナウイルス感染症に罹患した10代姉妹例のウイルス陰性化までの経過 |
掲載誌名 | 正式名:東京女子医科大学雑誌 ISSNコード:00409022/24326178 |
掲載区分 | 国内 |
出版社 | 東京女子医科大学学会 |
巻・号・頁 | 90(3),65-69頁 |
著者・共著者 | 勝浦 美沙子, 岸 崇之, 橋本 和典, 石黒 久美子, 小美野 勝, 佐藤 和樹, 阿部 和大, 永井 智仁, 西村 和幸, 長原 光, 永田 智 |
担当区分 | 2nd著者 |
発行年月 | 2020/06 |
概要 | Severe acute respiratory syndrome coronavirus 2(SARS-CoV-2)感染症(Coronavirus disease 2019:COVID-19)は,特に高齢者では,肺炎や呼吸窮迫症候群を発症し重症化する例が問題となる.一方で小児例・若年例は,重症化する症例は限られるが,ウイルス排出期間などはよくわかっていない.症状が軽微なSARS-CoV-2陽性の10歳代の姉妹例がウイルス陰性になるまでの臨床経過を経験したので報告する.症例1は17歳女子.症状発現の5日前に300人規模の閉鎖空間でのイベントに参加した.発熱,咽頭痛,背部痛が2日間継続したのち軽快し,その後は無症状であった.同居家族が肺炎で医療機関に入院し,COVID-19と診断された.COVID-19濃厚接触者として第17病日に鼻腔のスワブのPCR検査でSARS-CoV-2の陽性を確認した.肺炎を含む呼吸器症状を認めず,血液検査では炎症所見なく,D-ダイマーの軽度高値を認める以外に異常所見はなかった.経過観察のみで第23病日に2回目のPCR検査陰性を確認した.症例2は14歳女子で症例1の妹である.COVID-19と診断された同居家族の濃厚接触者として,入院前日に鼻腔のスワブのPCR検査でSARS-CoV-2陽性を確認した.入院1日目に軽度の咳嗽が出現した.肺炎は認めず,血液検査で異常所見を認めなかった.咳嗽は第3病日に軽快し,第10病日に2度目のPCR検査陰性を確認した.臨床症状は,症例1は発熱が2日間のみ,症例2は咳嗽が3日間のみだった.いずれも肺炎は認めず,血液検査でも異常所見は認めなかった.2例の検討ではあるが,若年患者ではCOVID-19に罹患しても,症状や血液検査が軽微で経過するという既存の報告に矛盾しなかった.一方で,症状出現からPCR検査でのSARS-CoV-2の陰性化までの期間は23日,10日と国内の成人と同等である可能性があった.無症状症例からの感染拡大の危険があり,臨床症状の重症度に関わらず感染予防策が重要であると考えた.(著者抄録) |
DOI | 10.24488/jtwmu.90.3_65 |
文献番号 | 2020344971 |