クロダ ハジメ   Kuroda Hajime
  黒田 一
   所属   医学部 医学科(附属足立医療センター)
   職種   教授
論文種別 症例報告
言語種別 日本語
査読の有無 査読あり
表題 子宮摘出を行い診断し得た,過大着床部の一症例
掲載誌名 正式名:関東連合産科婦人科学会誌
ISSNコード:21860610/21860629
掲載区分国内
出版社 (一社)関東連合産科婦人科学会
巻・号・頁 56(4),493-499頁
著者・共著者 高橋 孝幸, 篠崎 悠, 小林 新, 的場 優介, 深川 裕一郎, 黒田 一, 今井 康雄, 寺西 貴英
発行年月 2019/11
概要 絨毛性疾患のうちの一つである過大着床部(Exaggerated placental site;EPS)は中間型栄養膜細胞(intermediate trophoblast;IT)が増殖する稀な疾患である.EPSと腫瘍性病変である胎盤部トロホブラスト腫瘍(Placental site trophoblastic tumor;PSTT)は共にITが増殖する病変であるため,両者の鑑別は苦慮することが多く,摘出子宮の病理学的検索を行わない限りは,診断困難なことが多い.今回我々は,子宮内容除去術後のhCG高値が遷延し,腹腔鏡下腟式子宮全摘出術によりEPSと診断した1症例を経験したので報告する.症例は47歳1妊0産.初診時の経腟超音波所見から胞状奇胎を疑い,子宮内容除去術を施行した.子宮内容物の病理組織診断では奇胎成分を認めずEPSまたはPSTTの可能性が指摘された.子宮内容除去術後に血中hCGは上昇傾向を認め,MRI検査で子宮底部に約30mmの腫瘤を認めた.診断加療目的に腹腔鏡下腟式子宮全摘出術を施行し,病理組織学的にEPSと診断された.EPSはITの非腫瘍性増殖であり,子宮内容除去術にて軽快する場合もあるが,EPSに対する具体的な治療方法は確立されていない.術前評価を慎重に行った上での腹腔鏡下腟式子宮全摘出術はEPSに対する診断および治療に有用である可能性がある.(著者抄録)
文献番号 2020046307