シミズ ユウコ
Shimizu Yuuko
清水 優子 所属 医学部 医学科(東京女子医科大学病院) 職種 教授 |
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論文種別 | 原著 |
言語種別 | 日本語 |
査読の有無 | 査読あり |
表題 | 重症筋無力症における味覚障害と抗電位依存性カリウムチャンネル(Kv)1.4抗体 |
掲載誌名 | 正式名:東京女子医科大学雑誌 ISSNコード:00409022/24326178 |
掲載区分 | 国内 |
出版社 | 東京女子医科大学学会 |
巻・号・頁 | 83(4),242-248頁 |
著者・共著者 | 蒲澤 千昌, 清水 優子, 鈴木 重明, 内山 真一郎 |
担当区分 | 2nd著者 |
発行年月 | 2013/08 |
概要 | 緒言:近年、重症筋無力症(MG)患者に新規抗体が報告され、その一つである抗電位依存性カリウムチャンネル(Kv)1.4抗体陽性のMG患者では重症度と相関すると言われている.MGの非運動性障害の一つに味覚障害が報告されているが、有症率や発症機序は不明である.今回、多施設共同研究によりMGの味覚障害を検討した.対象および方法:2010年5月から9月に多施設共同研究East Japan MG study group登録施設から305例(男:女=109:196、平均56.4±16.9歳)のMGを抽出、味覚障害の有無、最重症時のMGFA分類、球症状、クリーゼの有無、胸腺腫、内服歴を確認し、抗アセチルコリン受容体(AChR)抗体,抗Kv1.4抗体を測定した.結果:305例中13例(4.3%)に味覚障害を認めた.味覚障害のあるMGでは抗AChR抗体は13例(100%)、抗Kv1.4抗体は7例(53.9%)で陽性、胸腺腫は9例(69.2%)であり、味覚障害のない患者と比較し、有意に多かった.内服薬との関連性はなく、特に9例(3.0%)はMGとの関連が強かった.味覚障害は甘味障害主体の解離性味覚障害で、5例は筋無力症状に先行し、7例は筋無力症状と味覚障害の相関があり、4例は胸腺腫の再発があった.5例でMG治療と共に味覚障害が改善した.考察:味覚障害を合併したMG患者では胸腺腫、球症状、クリーゼ経験が多く、これらは抗Kv1.4抗体陽性者に特徴的な所見で、味覚障害患者では抗Kv1.4抗体陽性者が多いことから、抗Kv1.4抗体陽性MGの特徴を反映している可能性がある.MGの味覚障害は甘味障害が主体であり、甘味受容体を選択的に障害するような物質の存在が推定され、胸腺腫との関連が示唆される.結論:MGの味覚障害について胸腺腫や抗Kv1.4抗体との関連性を示した研究は本研究が初である.抗Kv1.4抗体陽性、胸腺腫は味覚障害を持つMG患者で有意に多く、特に甘味の低下がみられ、MG診断前や筋無力症状と味覚障害の相関のある症例があった.(著者抄録) |
文献番号 | 2013377954 |