シミズ ユウコ
Shimizu Yuuko
清水 優子 所属 医学部 医学科(東京女子医科大学病院) 職種 教授 |
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論文種別 | 総説 |
言語種別 | 日本語 |
査読の有無 | 査読あり |
招待の有無 | 招待あり |
表題 | 性差医療 免疫性神経疾患 妊娠・出産のマネージメント |
掲載誌名 | 正式名:東京女子医科大学雑誌 ISSNコード:00409022/24326178 |
掲載区分 | 国内 |
出版社 | 東京女子医科大学学会 |
巻・号・頁 | 89(6),115-126頁 |
著者・共著者 | 清水 優子† |
担当区分 | 筆頭著者,責任著者 |
発行年月 | 2019/12 |
概要 | 免疫性神経疾患の代表的な疾患である多発性硬化症(multiple sclerosis:MS)、視神経脊髄炎(neuromyelitis optica:NMO)、視神経脊髄炎スペクトラム(NMO spectrum disorder:NMOSD),重症筋無力症(myasthenia graves:MG)は本邦でも患者は増加しており、いずれも女性に多く、発症年齢は妊娠出産が可能な年代に一致する。したがって、日常臨床において、これらの免疫性神経疾患患者の出産・妊娠に、遭遇することは少なくない。多くの患者は妊娠・出産に対して不安を抱えており、我々医療従事者は、患者が無事に出産をむかえられるよう患者個々の病勢に対応した適切な指導とサポートが必要である。MSでは、妊娠期のTh2シフトが病勢安定化に作用し、妊娠後期に再発率は顕著に低下する。しかし出産後3ヵ月は、育児ストレス、環境やホルモンの急激な変化により再発率が有意に上昇することが特徴である。近年、疾患修飾薬(disease modifying drug:DMD)の普及により、挙児希望のMS患者には、妊娠前からDMDを開始し、寛解期を維持することにより、出産後早期の再発予防が可能になった。各DMDの母体・胎児への影響について正しく理解し、挙児希望患者の各々に適した治療が求められる。一方、NMO・NMOSDの妊娠・出産に関連した再発リスクは、出産3ヵ月間の再発率はMSよりも高く、流産、子癇前症のリスクも高いことがあきらかとなった。妊娠・出産に伴う再発を予防するためには、妊娠中も、適切な免疫抑制薬や副腎皮質ステロイド薬を継続し、病勢を安定させることが必須である。MGの妊娠中の疾患活動性は、妊娠中に悪化、軽快、変化なし、それぞれおよそ1/3である。母体においては他の自己免疫疾患と同様に妊娠初期と出産直後に悪化するリスクがあり、この時期の慎重な管理と、妊娠中の適切な免疫抑制薬や副腎皮質ステロイド薬の継続投与が必要である。代表的な免疫性神経疾患のプレコンセプションケアと妊娠・出産のマネージメントについて解説する。(著者抄録) |
DOI | 10.24488/jtwmu.89.6_115 |
文献番号 | 2020149871 |