ヨシザワ ヒロシ   Yoshizawa Hiroshi
  吉澤 浩志
   所属   医学部 医学科(附属八千代医療センター)
   職種   准教授
論文種別 症例報告
言語種別 日本語
査読の有無 査読あり
表題 多発性硬化症様症状を呈した成人型Leigh脳症
掲載誌名 正式名:東京女子医科大学雑誌
ISSNコード:00409022/24326178
掲載区分国内
出版社 東京女子医科大学学会
巻・号・頁 78(臨増),75-82頁
著者・共著者 清水 優子†*, 竹内 恵, 太田 宏平, 永井 知代子, 吉澤 浩志, 迫村 泰成, 内山 真一郎, 岩田 誠
発行年月 2008/02
概要 Leigh脳症は、subacute necrotizing encephalomyelopathyと呼ばれており、ミトコンドリア異常による中枢神経系のエネルギー代謝障害である。主に乳幼児に発症し、成人型はまれである。今回我々は多発性硬化症と診断されていた成人型Leigh脳症の症例を経験したので報告する。症例は40歳女性。38歳より、発熱、複視を繰り返していた。頭部MRIで第3脳室、中脳水道周囲、脳幹被蓋部に病巣を認め、他院で多発性硬化症と診断された。40歳、意識障害、発熱、眼振、複視で当科入院、神経学的所見は、意識障害、失調性構音障害、複視、右注視時に水平性眼振、右優位の上下肢深部腱反射亢進、両側Babinski's徴候陽性、左顔面を含む上下肢の感覚障害、四肢小脳性運動失調、Romberg徴候陽性であった。臨床症状、MRI画像がMSとしては非典型的であり、ミトコンドリア病を疑い、精査をおこなった。血清髄液中の乳酸・ピルビン酸は高値、エアロビックテスト陽性、心筋シンチグラムで心筋障害があり、心筋生検でミトコンドリア異常が認められた。その後、意識障害、視神経炎、発熱を繰り返し、42歳、急性呼吸不全で急死。本例のように多発性硬化症様の不完全再発寛解の臨床症状を呈し、MRIで中脳、脳幹、基底核に異常陰影をきたす成人型Leigh脳症は、多発性硬化症の鑑別診断として重要である。(著者抄録)
文献番号 2008207044