シミズ ユウコ   Shimizu Yuuko
  清水 優子
   所属   医学部 医学科(東京女子医科大学病院)
   職種   教授
論文種別 総説
言語種別 日本語
査読の有無 査読あり
表題 多発性硬化症,視神経脊髄炎,中枢神経浸潤を伴う悪性リンパ腫の鑑別におけるIgG index、髄液インターロイキン-6・可溶性インターロイキン-2受容体・ミエリン塩基性蛋白の有用性
掲載誌名 正式名:東京女子医科大学雑誌
ISSNコード:00409022/24326178
掲載区分国内
出版社 東京女子医科大学学会
巻・号・頁 84(臨増1),E141-E148頁
著者・共著者 池口 亮太郎†* 清水 優子, 清水 悟, 小林 正樹, 内山 真一郎
担当区分 2nd著者
発行年月 2014/01
概要 多発性硬化症(multiple sclerosis:MS)と視神経脊髄炎(neuromyelitis optica:NMO)は自己免疫性機序の脱髄性疾患である.従来NMOはMSの一亜型と考えられていたが、抗アクアポリン4抗体の発見などにより、両疾患が異なった病態を示すことが明らかとなった.Wingerchukらはneuromyelitis optica spectrum disorder(NMOSD)というNMOと共通の病態を持つ広いスペクトラムの疾患概念を提唱した.これにより両疾患の診断は比較的円滑に行えるようになったが、実臨床の場では鑑別に苦慮する場合が多く、腫瘍様の画像所見を示すtumefactive MS(TMS)や中枢神経浸潤を伴う悪性リンパ腫(malignant lymphoma:ML)、特に中枢神経原発悪性リンパ腫(primary central nervous system lymphoma:PCNSL)との鑑別もしばしば問題になる.今回我々はMS、NMO/NMOSD、TMS、ML患者のIgG index、髄液インターロイキン-6(interleukin-6:IL-6)・可溶性インターロイキン-2受容体(soluble interleukin-2 receptor:sIL-2R)・ミエリン塩基性蛋白(myelin basic protein:MBP)の相違について比較検討した.その結果、髄液sIL-2RはML群とMS群間およびNMO/NMOSD群間で有意性を示した.髄液IL-6についてNMO/NMOSD群ではMS群と比較し、統計学的有意差はないものの高値を示す例が多かった.MBPについてはMS群とNMO/NMOSD群間で有意性を示した.MS、NMO/NMOSD、MLの鑑別において、髄液IL-6・sIL-2R・MBPの測定が有用である可能性が示唆された.(著者抄録)
文献番号 2014179660