イチノエ アキマサ
Ichinoe Akimasa
一戸 晶元 所属 医学部 医学科(附属足立医療センター) 職種 講師 |
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論文種別 | 症例報告 |
言語種別 | 日本語 |
査読の有無 | 査読あり |
表題 | 高用量黄体ホルモン(MPA)療法により長期生存を得た子宮平滑筋肉腫多発肺転移の1例 |
掲載誌名 | 正式名:日本婦人科腫瘍学会雑誌 ISSNコード:13478559 |
巻・号・頁 | 35(2),201-209頁 |
総ページ数 | 9 |
著者・共著者 | 西田眞†, 二尾愛, 赤澤宗俊, 一戸晶元, 遠城幸子 |
発行年月 | 2017/04 |
概要 | 進行子宮平滑筋肉腫は化学療法が奏効せず予後不良であるが、高用量黄体ホルモン(酢酸メドロキシプロゲステロン:MPA)療法により長期生存を得た1例を経験したので報告する。症例は51歳の女性で過多月経を主訴として受診、多発肺転移を伴う巨大な子宮腫瘤に対して腹式単純子宮全摘出術および両側付属器摘出術を施行した。摘出子宮の病理組織診断は平滑筋肉腫で、免疫組織化学でエストロゲンレセプター(ER)とプロゲステロンレセプター(PgR)がともに陽性であった。術後にDG療法(ドセタキセル+ゲムシタビン)を行い(治療効果はSD)、引き続いて高用量MPA療法を開始した。MPA開始後36ヵ月まで多発肺転移は軽度縮小してSDが持続したが、MPA開始から47ヵ月後に肺に新病変を認めた。高用量MPA療法を継続して術後68ヵ月現在、担癌生存中である。子宮平滑筋肉腫はER/PgRが高率に陽性で予後との関連やアロマターゼ阻害薬の有効性が示されているが、高用量MPA療法の報告は少ない。ホルモン療法は副作用が少なくQOLを維持したまま治療継続が可能であり、ER/PgR陽性の子宮平滑筋肉腫では検討すべき治療法と考えられた。 |