ヨシザワ ヤスヨ   Yoshizawa Yasuyo
  吉澤 裕世
   所属   看護専門学校 看護専門学校
   職種   非常勤講師
論文種別 原著
言語種別 日本語
査読の有無 査読あり
表題 オーラルフレイルは残存歯数減少よりも口腔関連QOL低下と強く関連する 地域在住高齢者による横断検討(柏スタディ)
掲載誌名 正式名:日本未病システム学会雑誌
ISSNコード:13475541
掲載区分国内
出版社 (一社)日本未病学会
巻・号・頁 25(3),48-52頁
著者・共著者 西本 美紗, 田中 友規, 高橋 競, Unyaporn Suthutvoravut, 藤崎 万裕, 吉澤 裕世, 飯島 勝矢
発行年月 2019/12
概要 【目的】高齢期において、食事や会話と密接に関わる口腔を健康に保つことは、心身の健康のみならず生活の質(QOL)の観点からも重要である。近年、残存歯数の減少だけではなく、咀嚼嚥下を中心とした多面的な口腔機能の低下の重複を示す新概念「オーラルフレイル」が、高齢者の心身の機能低下に繋がることが明らかにされたが、口腔関連QOLとの関係は未検討である。本研究では、地域在住高齢者においてオーラルフレイルが口腔関連QOLにいかに影響するかを横断的に検証した。【方法】対象は千葉県柏市におけるコホート研究(柏スタディ)第4次追跡調査参加者950名の内、認知機能障害が無く、主要変数に欠損が無い者とした。口腔関連指標は、残存歯数とオーラルフレイルを先行論文に従い評価した。口腔関連QOLはGOHAIを用いて評価し、53点未満を「口腔関連QOLが低い」とした。統計解析は主に二項ロジスティック回帰分析を用いた。【結果】解析対象者940名(平均76.3±5.1歳;男性53%)の内、口腔関連QOLが低い者は30%であった。年齢、性別等の交絡因子の影響を除いても、残存歯数20歯未満の者30%は口腔関連QOLが低い者が多く{調整オッズ比(95%信頼区間):2.60(1.71-3.95)}、オーラルフレイルである者8.4%ではより高頻度である傾向がみられた{調整オッズ比(95%信頼区間):3.41(1.97-5.87)}。これらの傾向はGOHAIの全ての下位尺度でも同様に示された。【結論】地域在住高齢者の中で、単なる残存歯数のみで比較する場合よりも、オーラルフレイルの有無で比較した方がより多くの口腔関連QOL低下者を見出せる可能性が出てきた。高齢者の口腔関連QOLを維持向上するためには、従来の歯の喪失予防だけでなく「口腔機能の総合的視点に立った維持向上」への取り組みが必要である。(著者抄録)
文献番号 2020161603