モウリ トシヒコ   Mouri Toshihiko
  毛利 俊彦
   所属   医学部 医学科(附属八千代医療センター)
   職種   助教
論文種別 症例報告
言語種別 日本語
査読の有無 査読あり
表題 腹腔内遊離ガス像を伴う子宮留膿腫穿孔により汎発性腹膜炎にいたった1例
掲載誌名 正式名:外科
ISSNコード:0016593X/24329428
掲載区分国内
出版社 (株)南江堂
巻・号・頁 77(2),222-225頁
著者・共著者 毛利 俊彦, 村田 祐二郎, 坂東 道哉, 森 正樹, 町並 陸生, 佐藤 裕二
発行年月 2015/02
概要 72歳女性。46歳時にCushing症候群で下垂体手術、65歳時に上行大動脈瘤破裂で胸部大動脈置換術の既往があった。また69歳時よりは胆石症や胃潰瘍ほか、高血圧、糖尿病、腹部大動脈瘤に対して内服加療中であった。今回、腹痛で歩行困難となり近医を受診、イレウスの疑いで著者らの施設へ紹介となった。入院時、腹部CTでは上腹部に腹腔内遊離ガスと腹水がみられ、小腸壁は全体的に浮腫状に肥厚していた。更に子宮の腫大と壁肥厚も認められ、壁内には遊離ガス、内部には液体貯留がみられ、その他、壁在血栓を伴った約6cm大の腹部大動脈瘤も確認できた。以上、これらの所見を踏まえ、原因は不明であるが本症例は消化管穿孔による腹膜炎と考え、開腹手術を行なったところ、術中所見では子宮底部に壊死を伴う20mm大の穿孔部位が認められ、子宮穿孔による汎発性腹膜炎と考えられ、穿孔の原因として悪性腫瘍の可能性も疑われた。そこで、婦人科と相談して年齢や全身状態を考慮して子宮全摘術+両側付属器摘出術を施行することとなった。その結果、術後はICU管理のもとmeropenem(1.5g/日)を5日間投与することにより炎症は軽快、術後4日目には食事を開始するまでになった。だが、偽膜性腸炎を併発したためmetronidazoleの投与を行ない、患者は術後12日目に退院となった。目下、2年4ヵ月経過で良好な経過をたどっている。
文献番号 2015167445