イシタ タケシ
Ishita Takeshi
石多 猛志 所属 医学部 医学科(附属八千代医療センター) 職種 助教 |
|
論文種別 | 総説 |
言語種別 | 日本語 |
査読の有無 | 査読あり |
表題 | 癌再発患者に対する十分な情報提供と在宅療養への移行 |
掲載誌名 | 正式名:東京女子医科大学雑誌 ISSNコード:00409022/24326178 |
掲載区分 | 国内 |
出版社 | 東京女子医科大学学会 |
巻・号・頁 | 85(臨増1),E14-E18頁 |
著者・共著者 | 平井 栄一, 石多 猛志, 石井 雅之, 飯野 高之, 佐藤 拓也, 鬼澤 俊輔, 濱野 美枝, 倉持 英和, 大石 英人, 中村 努, 新井田 達雄 |
発行年月 | 2015/03 |
概要 | 癌患者に対しての早期からの緩和ケア導入の必要性が論じられるようになってきている。緩和ケアの具体的内容としては、身体症状の緩和以外にも疾患の理解を助けることや、治療選択の補助など、患者や家族への十分な情報提供が必要とされてきている。当科では再発早期から可能な限り患者本人に十分な病状説明を行い、療養の場についても早い段階で本人、家族で検討していただいている。当院は地域連携型医療の急性期医療を担う医療機関として平成18年12月に開院した。緩和医療についても連携病院、近郊の緩和ケア病棟、在宅医師、訪問看護ステーションなどと連携した地域連携型の緩和医療を目標としている。またがん対策基本法の施行に伴い、がん患者への在宅緩和医療を提供することが推進されている。当科では再発早期から十分な病状説明を行い、療養の場についても早い段階で本人、家族で検討していただいている。今回、平成21年8月から平成24年5月までの当科での癌の死亡症例83例を対象とし病状説明の状況、看取りの場の状況について検討した。男性56例、女性27例で平均年齢は69.0歳だった。病状説明については再発後に本人、家族同席で病状説明を行った全告知症例は58例(70%)だった。また病名告知は行ったものの、本人、家族と別に病状説明を行った部分告知症例は24例(29%)だった。癌告知を行わなかったのは1例(1.2%)だった。また看取りの場は在宅34例(41%)、当院24例(29%)、連携病院21例(25%)、緩和ケア病棟4例(4.8%)だった。それぞれの平均在院日数は当院(24例):16.3日、連携病院(21例):56.6日、緩和ケア病棟(4例):26.8日だった。当院での死亡症例は緊急入院で状態が悪化した時期での入院が多く在院日数は比較的短期だった。早い段階で入院を希望した患者は連携病院に入院し在院日数は比較的長期となっていた。早期より患者本人、家族へ十分な病状説明、情報提供を行った結果、在宅死亡率41%と全国平均12.6%を上回り、患者、家族が主体的に療養の場を選択できた可能性が示唆された。(著者抄録) |
文献番号 | 2015221071 |