クロダ ハジメ   Kuroda Hajime
  黒田 一
   所属   医学部 医学科(附属足立医療センター)
   職種   教授
論文種別 症例報告
言語種別 日本語
査読の有無 査読あり
表題 巨大頸部転移巣を伴った甲状腺癌の1切除例
掲載誌名 正式名:Therapeutic Research
ISSNコード:02898020
掲載区分国内
出版社 ライフサイエンス出版(株)
巻・号・頁 29(8),1375-1379頁
著者・共著者 石田 文孝, 中井 麻木, 竹内 幾也, 大西 清, 豊住 康夫, 黒田 一, 糸山 進次
発行年月 2008/08
概要 67歳男。左頸部から鎖骨上にかけて腫脹を認め、表在静脈の怒張を認めた。頸部CTで甲状腺左葉にheterogenousな腫瘍を認め、その外側には腫瘤があり、内部は一部造影効果を認めた。気管は頸部腫瘤により右方へ偏位していた。頸部超音波では甲状腺左葉に一部境界不明瞭な充実性の腫瘤影を認め、内部エコーは粗造で嚢胞変性は認めなかった。腫瘤内部および辺縁の血流は豊富で、悪性を示唆する所見であった。転移巣と考えられる腫瘤の境界は明瞭で、内部は嚢胞変性を疑う所見であった。甲状腺左葉の腫瘍の穿刺吸引細胞診では、甲状腺乳頭癌を疑う所見であった。左甲状腺乳頭癌および頸部リンパ節転移と診断し、甲状腺亜全摘および頸部リンパ節郭清術を施行した。転移したリンパ節が内頸静脈を圧排していたため、側副血行路が著明に発達・怒張しており、術中に損傷したものは全て縫合止血したが、術後の血圧上昇に伴い再出血を来たし止血に難渋した。なお、甲状腺亜全摘および頸部リンパ節郭清を施行した際、左反回神経に腫瘍の浸潤を認めたため切除し端々縫合した。病理所見で原発巣に扁平上皮化生は認めなかったが、転移したリンパ節で嚢胞壁の一部に扁平上皮化生を認めた。術後2日には誤嚥なく食事摂取が可能となり、術後7日に軽快退院した。
文献番号 2008334471