クロダ ハジメ   Kuroda Hajime
  黒田 一
   所属   医学部 医学科(附属足立医療センター)
   職種   教授
論文種別 症例報告
言語種別 日本語
査読の有無 査読あり
表題 慢性関節リウマチに対するメソトレキセート治療後に発生したホジキンリンパ腫の2例
掲載誌名 正式名:日本臨床細胞学会雑誌
ISSNコード:03871193/18827233
掲載区分国内
出版社 (公社)日本臨床細胞学会
巻・号・頁 47(2),111-115頁
著者・共著者 花見 恭太, 大澤 久美子, 扇田 智彦, 森 茂久, 得平 道英, 黒田 一, 田丸 淳一, 糸山 進次
発行年月 2008/03
概要 背景:RA治療にMTXを使用した症例に悪性リンパ腫の発生することが知られている。今回われわれは、MTXを用いたRAの治療中に発生したCHL2例を経験したので報告する。症例:症例1は50代女性、6年間のMTX治療後、右腋窩リンパ節の腫脹がみられ、生検が行われた。症例2は60代男性、1年間のMTX治療後カリニ肺炎を発症、その後右鼠径部および左頸部リンパ節の腫脹がみられ、左頸部リンパ節生検が行われた。2例ともに捺印細胞診では、小型のリンパ球、組織球などを背景に著明な核小体を有する大型のHRS細胞を散在性に認めた。組織学的にもHRS細胞が散見されたが、それらは免疫組織学的に、症例1ではCD30とCD15が陽性、CD20陰性、症例2ではCD30、CD79aが陽性、CD20が一部の細胞に弱陽性、CD15が陰性を示していた。結論:細胞学的には典型的なCHLの像であったが、本2例は臨床経過を踏まえると、WHO分類で免疫不全関連リンパ増殖症の亜型として分類されるMTX関連リンパ増殖症に相当するものと考えられた。また、免疫組織学的に症例1は通常のCHLのパターンであったが、症例2はHodgkin-like LPDと診断すべきだったと考えられた。このような症例は複雑な臨床経過をたどることが多く、診断には疾患背景をよく理解したうえでの総合的な判断が必要と考えられた。(著者抄録)
文献番号 2008218354