クマキリ ジユン   Kumakiri Jiyun
  熊切 順
   所属   医学部 医学科(東京女子医科大学病院)
   職種   教授
論文種別 原著
言語種別 日本語
査読の有無 査読あり
表題 開腹既往例に対する腹腔鏡下手術 細径腹腔鏡を用いた新しい経腟アプローチ法
掲載誌名 正式名:日本産科婦人科学会東京地方部会会誌
ISSNコード:02885751
掲載区分国内
出版社 (一社)東京産科婦人科学会
巻・号・頁 55(4),509-511頁
著者・共著者 地主 誠, 熊切 順, 島貫 洋人, 菊地 盤, 北出 真理, 武内 裕之
発行年月 2006/12
概要 当教室では下腹部の手術既往例に対して細径腹腔鏡を用いた第9肋間アプローチ法を採用しているが、上腹部の手術既往例に対する安全なアプローチ法の報告は少ない。小児期に上腹部・下腹部の3回の手術既往がある卵巣腫瘍の症例に対して、安全な腹腔鏡手術を行ったので報告する。症例は32歳、0経妊0経産。既往歴として5歳、9歳時に神経芽細胞腫で左上腹部横切開により腫瘍摘出術、12歳時に右下腹部横切開による腸閉塞解除術の既往がある。今回、左卵巣皮様嚢腫の腹腔鏡下手術目的に入院となった。腹壁には臍上、臍下に大きな横切開の手術創を認め、closed法、open法および第9肋間アプローチ法でもアプローチ困難と思われた。子宮および付属器の可動性は良好であり、ダグラス窩穿刺の要領で後腟円蓋に直径3.8mmのアクセスニードルを刺入し、生理食塩水100mlを注入して3mmスコープにより腹腔内を観察した。次いで炭酸ガスによる気腹を行い、腸管の癒着部を避けて、計4本のトラカールを刺入した。既往手術創への癒着はそのままにして、腹腔鏡下左卵巣嚢腫摘出術を施行した。術後経過良好であり、術後3日目に退院となった。上腹部の既往手術例に対する細径腹腔鏡を用いた経腟アプローチ法は、安全かつ有用であると考えられた。(著者抄録)
文献番号 2007163117