イシザキ スミコ
ISHIZAKI Sumiko
石﨑 純子 所属 医学部 医学科(附属足立医療センター) 職種 准教授 |
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論文種別 | 原著 |
言語種別 | 日本語 |
査読の有無 | 査読あり |
表題 | 経過中に自然治癒の機序が考慮されたリンパ管型スポロトリコーシスの1例 |
掲載誌名 | 正式名:日本臨床皮膚科医会雑誌 ISSNコード:13497758/1882272X |
掲載区分 | 国内 |
出版社 | 日本臨床皮膚科医会 |
巻・号・頁 | 35(3),508-513頁 |
著者・共著者 | 坪光 知子†, 澤田 美月, 出来尾 格, 二宮 淳也, 石崎 純子*, 田中 勝, 原田 敬之, 亀井 克彦 |
担当区分 | 責任著者 |
発行年月 | 2018/04 |
概要 | 53歳女。東京都某区在住。園芸など土いじりの生活歴はない。野良ネコを含む複数のネコを飼育している。初診の6ヵ月前、右手背を虫に刺された後、皮疹が遷延・増悪し、手背近位側から手関節・前腕へと拡大した。201X年7月当科初診。右手背に小豆大から大豆大までの紅色結節が列序性、飛び石状に分布する。示指基部には黄色痂皮を付し、手背には表面びらんを呈し、一部融合している。前腕では短い線状痕が数個みられる。真菌学的には、手背の痂皮と皮膚生検組織片から培養したサブローブドウ糖寒天培地(25℃)よりSporothrix(以下S.)schenckii species complexを検出、遺伝子解析により、S.globosaと同定した。病理組織学的には、表皮は不規則に増生し偽癌性増殖を呈する。真皮内に好中球が集簇する微小膿瘍と、肉芽腫性炎症細胞浸潤がある。以上よりリンパ管型スポロトリコーシスと診断した。前腕の線状痕についてはネコの掻き傷など別症も考慮された。感染経路は、ネコに付着した土からの感染や、感染したネコから人畜共通感染症として発症した可能性を考えた。治療は初診の半年後の開始となり、ヨウ化カリウム300mg/dayが投与されたが、14日間処方以降受診が途絶えた。約2年後の再診時、皮疹の大部分は軽快しており、治療効果のみならず、原因菌の至適発育温度が低いことに関連して自然治癒の機序が加わったと考えた。しかし、左手背には自家接種と考える皮疹の新生があり、同様の真菌学的所見から治療の追加を要した。併用注意薬のカルシウム拮抗薬変更の上、イトラコナゾール100mg/day(イトリゾール)約3ヵ月内服にて略治した。近年、遺伝学的同定がなされるようになったが、本邦報告における原因菌はいずれもS.globosaであり、自験例も同様であった。今後、スポロトリコーシスの最も優位な原因菌として定着していくであろう。(著者抄録) |
文献番号 | 2018297635 |