ナガオカ ノブユキ
Nagaoka Nobuyuki
長岡 宣幸 所属 医学部 医学科(東京女子医科大学病院) 職種 助教 |
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論文種別 | 症例報告 |
言語種別 | 日本語 |
査読の有無 | 査読なし |
表題 | 左室流出路圧較差がたこつぼ心筋症の発症により増悪した閉塞性肥大型心筋症の1例 |
掲載誌名 | 正式名:心臓 略 称:心臓 ISSNコード:05864488/21863016 |
掲載区分 | 国内 |
出版社 | (公財)日本心臓財団 |
巻・号・頁 | 48(1),62-68頁 |
著者・共著者 | 長岡宣幸†, 嵐弘之, 春木伸太郎, 岡山大, 中尾優, 指田由紀子, 南雄一郎, 水野雅之, 山口淳一, 志賀剛, 萩原誠久 |
担当区分 | 筆頭著者 |
発行年月 | 2016/01 |
概要 | 症例は、82歳、女性。1年半前、閉塞性肥大型心筋症(hypertrophic obstructive cardiomyopathy:以下HOCM)と診断された。β遮断薬が開始となり、左室流出路(left ventricular outflow tract:以下LVOT)圧較差104mmHgから28mmHgと改善し経過観察となった。1ヵ月前、閉塞性黄疸を発症し、当院に入院した。入院時の心エコー検査ではLVOT圧較差は37mmHgであった。入院約1ヵ月後、胸痛、呼吸困難感を自覚し、心電図でV1-3誘導でのST上昇、胸部X線で肺血管陰影増強を認めた。冠動脈造影検査では有意な狭窄はなく、急性冠症候群の可能性は否定的であったが、左室造影検査で心尖部の壁運動が低下し、心基部は過収縮の状態であった。冠動脈支配と一致しない壁運動低下を認め、HOCMを有する患者がたこつぼ心筋症を合併したものと判断した。心臓カテーテル検査では、peak to peakで約70mmHgの圧較差を認め、心エコーでも、LVOT平均圧較差84mmHg、入院時にはなかった収縮期僧帽弁前方運動(systolic anterior motion:以下SAM)と僧帽弁閉鎖不全の増悪所見を認めた。その後11日経過した時点での経胸壁心エコー検査では、心尖部の壁運動は改善し、LVOT狭窄、SAMは再び改善した。経過からは、LVOT狭窄が、たこつぼ心筋症の発症を契機に増悪したものと考えられた。今回われわれは、HOCMにたこつぼ心筋症を合併した症例を経験したため報告する。 |
DOI | 10.11281/shinzo.48.62 |
文献番号 | 2016137522 |