イシヅカ ツトム   Ishidzuka Tsutomu
  石塚 敏
   所属   その他 その他
   職種   臨床検査副技師長
論文種別 原著
言語種別 日本語
査読の有無 査読あり
表題 腎移植後に産生されたHLA-DQ抗体の補体結合性とその予後について
掲載誌名 正式名:日本臨床腎移植学会雑誌
ISSNコード:2187-9907
掲載区分国内
巻・号・頁 3(1),44-49頁
著者・共著者 安尾 美年子, 石塚 敏, 石田 悠梨, 甲斐 耕太郎, 中島 一朗, 渕之上 昌平
発行年月 2015/07
概要 【目的】HLA抗体検査では、フローサイトメトリーやLuminexを用いて検出された抗体が高い蛍光強度を示すにもかかわらず、complement-dependent cytotoxic crossmatch test(CDC-XM)が陰性であるような検査結果の乖離が問題となってきた。筆者らは、このような結果の乖離の多くが補体結合性の有無によるもので、補体結合性の無いドナー特異的HLA抗体(DSA)は拒絶反応に関与しない可能性があることを報告してきたが、今回はさらに移植後に産生されたHLA-DQ抗体の補体結合性について検討した。【方法】移植後4~11年の患者血清のうちHLAクラスII抗体のみ陽性の血清10例に加えて、移植前よりクラスI(non-DSA)抗体も存在していた1例の計11例を選んでLABScreen Single AntigenおよびC1qScreenテストを行い、腎移植後に産生されたDQ抗体の陽性率と、その補体結合性および移植予後について検討した。【結果】対象症例の11例はすべてDQ抗体陽性であるが、DQ抗体のみが検出されたのは4例であった。他の7例についても80%がDQ抗体であり、これら11例のDQ抗体にはすべてにDSAが含まれており、その61%が補体結合性抗体であった。しかし、補体結合性の有無にかかわらず移植腎機能はほぼ良好であった。【結論】CDC-XMが陽性を示す抗体はおもに補体結合性DSAであり、腎機能廃絶後に多く認められることからも、抗体関連拒絶反応にかかわると考えられるが、今回検討したDQ抗体は補体結合性DSAであっても移植後4~11年現在、移植予後に影響を及ぼしていないと考えられた。(著者抄録)
文献番号 2015395439