ツジ カヲル
Tsuji Kaworu
辻 かをる 所属 医学部 医学科(東京女子医科大学病院) 職種 助教 |
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論文種別 | 原著 |
言語種別 | 日本語 |
査読の有無 | 査読あり |
表題 | 主治医から見た統合失調症家族心理教育の意義に関する検証 |
掲載誌名 | 正式名:東京女子医科大学雑誌 ISSNコード:0040-9022 |
掲載区分 | 国内 |
巻・号・頁 | 86(臨増1),E59-E66頁 |
著者・共著者 | 辻 かをる, 小林 清香, 大下 隆司, 石郷岡 純 |
担当区分 | 筆頭著者 |
発行年月 | 2016/01 |
概要 | [目的]統合失調症の家族心理教育は、患者の再発率の減少や治療継続、参加家族の心理的負担軽減などに効果がみられる。しかし、臨床の場において家族心理教育に期待される効果はこれらに限られない。またこれまで主治医の視点からの評価の報告はほとんど知られていない。本研究では、主治医の視点から見た家族会に参加した家族の変化を明らかにすることで、日常臨床における家族会の意義を新たな側面から検証することを目的とした。[対象および方法]当院において2013年4月から2014年12月の間に実施した統合失調症家族心理教育(以下、家族会)に参加した家族24人の家族員である患者の外来主治医10名を対象とした。半構造化面接およびvisual analog scale(VAS)により、家族に関する評価を得た。[結果]修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ(M-GTA)により、主治医がとらえた家族の変化のプロセスには、「病気に関する知識の適切さの増加」「患者の状況や病気の理解の進展」「家族の心の余裕の増加」「本人主体の関わりへの変化」「医療との協働の促進」という相互に影響しあう5つの上位コアカテゴリーが抽出された。いずれも家族会参加後に改善方向に変化していた。[考察および結論]家族会の有益性の根拠として、患者の病状改善への寄与ではなく家族の状態改善が挙げられた。主治医は介入対象たる家族のアウトカムを期待し、家族心理教育は家族の状態改善をもたらす役割を持つものと位置づけられていると示された。あわせて、こうした家族の状態改善をもたらした家族会の機能は、ほぼ心理教育の定義に沿うものであると見出された。(著者抄録) |
文献番号 | 2016262517 |