ニツタ マサユキ   Nitsuta Masayuki
  新田 雅之
   所属   医学部 医学科(東京女子医科大学病院)
   職種   助教
論文種別 総説
言語種別 日本語
査読の有無 査読あり
表題 脳腫瘍 .膠芽腫に対する自家腫瘍ワクチン
Central Nervous System Tumor:Glioma 
Ⅱ.Autologous formalin-fixed tumor vaccine for newly diagnosed glioblastoma
掲載誌名 正式名:癌と化学療法
ISSNコード:03850684
掲載区分国内
巻・号・頁 42(6),683-686頁
著者・共著者 丸山隆志†, 村垣善浩, 石川栄一, 新田雅之, 齋藤太一, 大野忠夫, 伊関洋, 岡田芳和
発行年月 2015/06
概要 解説 *膠芽腫(薬物療法,放射線療法)
*脳腫瘍
能動免疫療法
臨床試験
キラーT細胞
*腫瘍ワクチン(治療的利用)
治療成績
Temozolomide(治療的利用)
放射線化学療法
ヒト
悪性脳腫瘍のなかでも神経膠芽腫は極めて難治性であ
り,手術,放射線療法,化学療法による様々な治療が試
みられているが有効な治療手段は確立されていない。本
邦においての脳腫瘍の罹患患者数は人口 10 万人に対し
約 8〜10 人と推定されているが,そのなかでも膠芽腫は
最も予後不良であり,2 年生存率 30%以下,5 年生存率
は 10%以下である1)。2006 年に本邦で承認され世界的に
も標準治療とされているテモゾロマイド(TMZ)ではあ
るが,放射線治療(RT)単独群と RT+TMZ 併用療法群
を比較しても 2 か月程度の予後延長効果がみられたのみ
であり,さらなる成績向上をめざした治療開発が試みら
れるも有効な手段は未だみられていない。
脳実質はこれまで全身の免疫監視機構から隔絶されて
いる領域ととらえられてきたが,他の癌腫における免疫
療法の導入と同様に膠芽腫に対してもワクチンを用いた
免疫療法が実施され,その有効性の可能性が示されてい
る2-5)。われわれが着目したのは悪性神経膠腫に対して,
自己の腫瘍細胞を特異的に認識し,破壊するリンパ球サ
ブセットである自家腫瘍特異的細胞傷害性 T リンパ球
(cytotoxic T-lymphocytes: CTL)を用いる方法である。
これまで初発膠芽腫に対して実施された 2 回の Phase
Ⅰ/Ⅱa 臨床試験にて良好な成績を得ることができたた
めに,現在多施設共同無作為比較対象試験を行っている。
本稿ではこれまでの臨床試験の結果とともに,現在実施
中の Phase Ⅱ/