イセキ ヒロシ
Iseki Hiroshi
伊関 洋 所属 医学研究科 医学研究科 (医学部医学科をご参照ください) 職種 特任顧問 |
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Article types | Review article |
Language | Japanese |
Peer review | Peer reviewed |
Title | 解剖を中心とした脳神経手術手技
覚醒下手術の注意点 |
Journal | Formal name:Neurological Surgery ISSN code:03012603 |
Domestic / Foregin | Domestic |
Volume, Issue, Page | 38(5),427-435頁 |
Author and coauthor | 村垣 善浩†, 丸山 隆志, 田中 雅彦, 伊関 洋, 岡田 芳和 |
Publication date | 2010/05 |
Summary | Ⅰ.はじめに
覚醒下手術(awake craniotomy)は,脳神経外科手術,特に髄内病変を対象とした手術の際,手術チームに非常に有用な情報を提供する方法である9).この手術の2大目的は,電気刺激による機能組織(functional tissue)同定(マッピング)と,術中,特に摘出操作中の神経機能のモニタリングである.運動機能の場合は全身麻酔下でも可能であるが,言語機能8)やその他高次脳機能は覚醒状態でしか確認はできず,機能情報が必要と考える場合,必須の手技となる.てんかんとともに神経膠腫10)を中心とした髄内腫瘍での応用が盛んになっている. 加えて近年,覚醒下手術による言語マッピングの臨床的価値も評価されており14),また治療の意思決定の情報のみならず神経科学における重要な方法論1)として認識されるようになっている.しかし一方で,従来の全身麻酔下手術とは異なる手技が必要となり特有の合併症も存在するため,即座に導入できる方法ではない.施行を逡巡する脳神経外科医は患者への高侵襲性を理由に挙げることが多いが,基本的に局所麻酔の手術であるため全身合併症は軽微であり3),非常に鋭敏なモニタリングであるため神経学的合併症の頻度も低い5).覚醒下手術によるマッピングとモニタリングの目的は神経学的欠損症状の予防のみならず積極的な摘出を可能にすることである21)(Fig. 1).機能組織の同定と摘出操作が機能組織の損傷を起こしていないことの確認は引き続く積極的な摘出の必須条件であるからである.そこで本稿では,この優れた覚醒下手術をより安全に施行し,術中機能検査をより正確に施行することを目的として,適応選択から手技や合併症の予防対策まで留意点・注意点を述べる. |
DOI | 10.11477/mf.1436101163 |
Document No. | 20522913 |